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野釣り場での準備について(第2回)

今回は、野釣り場での準備について、
釣り座を決める際に考慮すべき点のお話の後半です。

釣り座を決める(その2)

釣り座を決める上での考慮点には、以下のものがありました。(1.~6.については、前回の記事を見てください。)

  1. 釣り禁止の場所でないか

  2. 遊漁料(釣りをするために漁業協同組合に支払うお金)などの料金を徴収される場所か否か

  3. 安全に車を駐車する場所が近くにあるか

  4. 車からの荷物運搬距離はどうか

  5. 背後や側方に、つり竿や仕掛けが引っかかるような障害物となる草木などがないか

  6. 背後や側方の人や車などの邪魔にならないか

  7. 太陽に対して「正面」、「背を向ける位置」のいずれの方向になるか

  8. 自分が釣りをする時間帯の風向きと風速の予報はどうか

  9. 強風が吹いた場合でも釣りをしやすい場所か

  10. 椅子や釣り台を設置しやすい地形になっているか

  11. 自分の座る場所から水面までの高さが高すぎないか

  12. 転倒により落水した場合に自力で陸に上がれるか

今回は、7.~12.について詳しく説明します。

7.太陽に対して「正面」、「背を向ける位置」のいずれの方向になるか

釣り座を決める際には、釣りを始めてから終わるまでの間に竿を出すおおまかな方角を考えておきます。これは、へらぶな釣りをする上で大切な、へら浮きのトップの動きをしっかり視認出来るようにするためです。

ヘラウキの各部名称

晴天の日に太陽と正対する位置に座っていると、水面に太陽光が反射して、白っぽく見えます。するとトップの目盛りが水面の色と同化して、繊細な動きを確認しにくくなるためです。

水面に光が反射するとウキが見にくい

特に、魚の活性が高い傾向にある日の出~9時台、午後3時頃~日の入りまでの時間帯に、太陽と対面する方角になりにくい場所を選択するとよいです。

しかし、日の出から日の入りまでずっと釣りを続ける場合は、どうしても太陽光に邪魔されてウキが見にくい時間帯があるのはやむを得ないです。

そのような場合は、太陽の位置によって釣り座をいちいち変える訳にはいきませんので、偏光サングラスを用意しておくと、ウキの見にくさはある程度緩和できます。

8.自分が釣りをする時間帯の風向きと風速の予報はどうか

釣りをする上で、釣り場での風向きと風速は非常に重要な情報です。理由は、仕掛けを振り込みエサを投入する際の振り込みやすさに大きく影響するためです。

へらぶな釣りの仕掛けにはオモリがついてはいますが、その重さは高々0.8g~2gほどしかありませんので、強風時には、振り込みの際に仕掛けが風であおられ、自分が振り込みたいポイントに振り込むことが難しくなります。

また、エサを付け替えるために水中にある仕掛けを引き上げる際、風で煽られ、鯉のぼりのように風でなびき、なかなか手でつかむことができなくなります。

風向きが追い風の場合は、仕掛けを振り込むのが楽になることもありますが、逆に向かい風の場合は思ったように仕掛けを振り込めず苦労します。

このような状態は、使用する竿が比較的短い場合(人によって感じ方の差がありますが、私の場合ですと、13尺(3.9m)以下くらいの長さをイメージしています。)はある程度コントロールできますが、長尺の竿(20尺(6.0m)以上ともなると、竿そのものも風圧の影響でコントロールが出来なくなってしまうため、あまりに風が強い中では釣りが継続できなくなります。

このため、釣り場に行く前には必ず天気予報を確認し、釣り場付近の住所の風速と風向の予報が時間ごとにどのように変化していくのかチェックしておき、可能な限り、風を背にする(「風裏(かぜうら)」と言います)ような釣り場を探すことをお勧めします。

更に、天気予報は毎時変化していくこともありますので、一度釣り場を決定し、そこに釣り座をセットしても、時々天気予報の風速・風向予報を確認した方が良いです。理由としては、釣りに行く前夜や早朝の予報では大丈夫でも、日中になると、予報が更新されていて、全く異なる予報になっている場合も往々にしてあるためです。

スマホアプリで風速・風向予報を確認しましょう

私の場合、目安として、釣り場付近の住所の天気予報で風速が6mを超えている且つ、釣り座をセット出来る土手や護岸に対して向かい風の場合は、基本的にその場所への釣行は断念し、別の場所を探します。

9.強風が吹いた場合でも釣りをしやすい場所か

風速・風向の話とも関係しますが、天気予報で強風の予報が出ている場合でも、釣り場によっては付近の地形のお蔭で、現地の状況が予報と異なり、思いの外、風が弱く釣りが出来る場合があります。

例えば、その日、南寄りの強風が吹く予報になっていたとしても、お目当ての釣り場が南側の標高が高く森や林に覆われている地形になっていれば、地形が盾になり風を遮ってくれるため、その対岸では風の影響を受けずに釣りをすることが出来る。といった具合です。

この場合、釣り座の決定というよりは、より広域的な、釣り場を何処にするか?ということにもなりますが、釣り場が風に強い場所であれば、おのずと釣り座もその恩恵を被るということになります。

10.椅子や釣り台を設置しやすい地形になっているか

野釣り場の場合、いかにもへらぶなが釣れそう、という良い雰囲気の場所を見つけたとしても、そもそも釣り座を構えられなければ釣りをすることが出来ません。

例えば、ダム湖の湖畔など、地形が急峻に落ち込んでいる場所や、もろく崩れやすい岩がゴロゴロしているような場所では、移動の途中、釣りの準備中、釣りをしている間に足場が崩れ、落水してしまう危険があります。

また、釣り座を構えようとしている場所までの道がぬかるんでいたり、浮き草の上にあったりしても、歩行中に足がはまり抜けなくなったり、急に水深が深くなっている場所を踏み抜き、溺れてしまうこともあります。

このため、地面がしっかりしていて傾斜があまり急でない場所、水平部分のある安定したコンクリート護岸や、傾斜があっても護岸ブロックでパターンが形成されていて滑り落ちにくくなっているなど、椅子や釣り台を安全に設置できる場所かどうか確認しましょう。

護岸の傾斜、滑りにくさは重要なチェック事項

11.自分の座る場所から水面までの高さが高すぎないか

釣り座の位置から水面まで、あまりにも高低差がありすぎると、何かと不便です。第一に、エサ作りや手を洗うための水を汲む際に、エサボウルやバケツを手で持ったまま水を掬うことが出来ません。

このような場所に釣り座を構えると、紐を付けたバケツで水を汲む必要があります。また、エサが無くなって新しく作りなおす場合や、釣りを終了して片付けをする際、エサボウルにこびりついて乾燥したエサを水洗いするのですが、エサボウルを洗う場合も水が汲みにくいです。

また、釣りをしている最中、へらぶながハリ掛かりすると、玉網でへらぶなを掬いますが、高低差があるところでは、玉網の柄が長いものを使わなければなりません。

通常、へらぶな釣り専用の玉網の柄の長さは、長いものでも2m強しかありませんので、例えば釣り座から水面までの高低差が3mもあるような場所ではそもそも魚が掬えないことになります。

釣りをする上で快適なのは、釣り座に座った状態でエサボウルを手に持って水を掬えるくらいの水面との高低差です。

釣り座と水面の高低差がこの位だと水汲み、魚の取り込みが楽!

12.転倒により落水した場合に自力で陸に上がれるか

単独で釣行する場合、釣り座を構える場所で、万一落水した場合に自力で陸に上がれるかという点は重要です。

陸で釣りをする場合、川や沼の水深が深い場所で足場が悪い釣り座ですと、万一バランスを崩して転倒した場合など、落水してしまう危険性があります。

例えば陸上部分と水面の間の高低差がある自然護岸(護岸整備が行われておらず、土の上に草が生えているような箇所)をもつ河川では、川の流れで土が削られ、土がえぐれている場合があります。

このような場所で、自分のいる場所の下部の状況をしらずに体重をかけた時に、護岸が崩れて川に転落してしまう恐れがあります。このため、護岸壁が侵食されている場所に釣り座を構えることは避けた方が良いです。

一方、湖でのボート釣りの場合はそもそも水深が深いことは明らかですので、あらかじめ落水時に溺れないようにライフジャケットを装備することを忘れないようにしましょう。

以上、釣り座を決める上で考慮すべき点についてお話しました。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。


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