2月の短歌十首連作「花の火傷」
2月の十首連作 「花の火傷」(ショージサキ)
「花の火傷」ショージサキ
もこもこのスヌード巻いてみなどこか獣じみてる地下鉄の夜
忘れたらなかったことになることとならないことと 冬の水槽
まだヒト科ヒト属として生きている 風邪の薬がよく効いている
眠らずに迎えた朝はいつだって晴れで消滅したくなります
許したいなんて気持ちはとうになく火傷にすれば許さずに済む
花びらを強くつねれば変わる色 加虐心ってすぐに芽生える
旅先で会った人とはもう会えない ヘアーサロンを次々変える
四季なんて要らないずっと長袖で生きたい 変色した肌を強く強く押す
花に似た痣がどんどん朽ち果てて肌はいつもの土壌に戻る
数グラムいくらかの花 数グラムだけを手にして行く枯れた道
以下、蛇足。
人に見せられる短歌を増やしたいな〜と昨年から考えていて、とりあえず量を書けるようにならねば!多作は正義!と思い、昨年12月からTwitterの有志のフォロワーと「ゆる百首会」という1ヶ月で100首作るという企画をしています。(今年も隔月で100首ずつ作る予定です)
一巡してみて気がついたら(クオリティーは色々あれど)100首手元にストックがあるって……素晴らしく余裕のある短歌生活……ということをひしひしと感じています!常に寡作だったので……
私は特に結社に所属しているわけではないので、せっかくだからポートフォリオ的なかんじでnoteで定期的に公開できたらなと思っています。(もちろんこれを見てご依頼などいただけたらとても嬉しいです)。
飽きない限り、今年は毎月15日前後に習作のような連作を更新できたらいいなと思っています。
連作「花の火傷」は昨年末からあたためていたもので、冬のイメージの連作なので2月に発表するにはちょうど良いかな〜なんて思っていたのですが、2024年2月15日現在、東京はだいぶ季節が春めいてきて、おおおお……となりながら慌てて推敲しました。3月は春っぽい連作を作りたいです。