5月の短歌十首連作 「そして生活」
5月の十首連作 「そして生活」(ショージサキ)
「そして生活」 ショージサキ
花曇りだなんていって少しだけサラリーマンの輪から外れる
焼き鳥屋の近くに鳩が集まって同窓会兼葬式のよう
パンまつりに命を懸けてる人たちを見ながらSeriaで買う白い皿
消費期限1分前に切れているケーキのそれでも甘やかなこと
変な死に方のニュースを見るたびに籤には外れたいなと思う
夫しか友達のいない知り合いに友人採用通知をもらう
明朝体でしゃべればすべて許されるわけではないよ 好みもあるし
モンスターエナジーはなんか緑色の液体 それはきみの吐瀉物
面白みない空の色とネモフィラは似ていていつか同化していく
ウミネコを猫の種類と信じてる 静波のようなおだやかな柄の
【最近の掲載情報】
現代短歌社「現代短歌」2024年5月号「Anthology of 40 Tanka Poets selected & mixed by Haruka INUI」という乾遥香さん編集の40人アンソロジーに「海までさらって来世まで」という新作含むリミックス版の10首連作を掲載してもらってます。
短歌研究社「短歌研究」2024年 05・06月 合併号「一挙掲載三〇〇歌人の新作作品集 テーマ「2024年のうた」に新作短歌連作5首「フレーム・イン/アウト」を載せてもらってます。
良かったら見ていただけるとうれしいです~!夏は何件か依頼をいただいているので(感謝!)また新しい情報が載せられると思います!最近はゆる百首会というものを定期的にやっていて、短歌バンバン作ってますのでご依頼などお気軽にお問い合わせください!
以下、蛇足。
【連作タイトルの話】
連作を編んでる時、「そして生活」というタイトルがポッと浮かんで、少し穏やかめの連作となりました。なんでだろう……。脳の無意識の部分で星野源の「そして生活はつづく」(文春文庫)を思い出していた……?
タイトルは本当にあんまり何も考えていないことが多くて、歌数が多いほど最後の最後につけるパターンと、英字タイトルよりは日本語タイトルの方が多い気がします。文法間違っていたら恥ずかしいので……というしょうもない理由なのでそのうち英字タイトルにも挑戦したいです。あと最近は短歌と見間違うレベルの長めのタイトルが好きです。