3月の短歌十首連作 「大体セールみたいな日々だ」(ショージサキ)
3月の十首連作 「大体セールみたいな日々だ」(ショージサキ)
「大体セールみたいな日々だ」ショージサキ
春風に花言葉的なものつけてあなたにあげたい 「偽善」ってどう?
コンタクト取ったことすら忘れてて無駄に目玉をほじくる夜明け
脳みそにこんな機能があったのと問い正したいような悪夢だ
執着と呪いはたぶん類義語で私の辞書では隣り合ってる
幸せはそこに無ければ無いですねそもそも店にあるものですか
胃に満ちるぬるま湯またはハーブティー 体のふるえは止まっていても
紙ストローふやかしながら そこまでは欲しくないものAmazonで買う
果物と人から生まれた仔のように触れれば指先から甘かった
飛び乗った電車は定期券内でなんにも逃れられなかったね
ZOZOTOWNはだいたいセール 終わらない春季休暇を病んだあなたに
以下、蛇足。
「3月は春っぽい連作を作りたいです。」と2月に書いたけどあまり春っぽくなかった連作です。
春生まれなので春は好きなのだけど、3月の花粉症でもないのにどことなくこそばゆいような空気感が押し寄せてくるかんじはいつまで経っても慣れないなあと思ってしまいます。