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『異なるアプローチ、結局は同じ結末説』②フリーウエイトとマシンの違い

筋トレの世界は、数多くのアプローチが存在しますが、最終的には同じような結果が得られる。
それが「異なるアプローチ、結局は同じ結末説」です。

唐突に始まったこのシリーズは、博士号(体育科学)を持つ科学者で、パーソナルトレーナーでもある筆者が論文をもとに、様々なトレーニング方法の効果を探っていきます。
また、このシリーズでは、最低限の科学性を保ちながら、時には若干飛躍的な主張も交えつつ、読者がトレーニングを続ける意欲を高めるためのエビデンスを提供します。
筋トレ愛好家や初心者の方々にとって、本シリーズが新たな視点を提供し、トレーニングをより楽しく効果的にする手助けとなれば幸いです。

2回目に触れる論文はこちらです。
Aerenhouts, D., & D'Hondt, E. (2020). Using Machines or Free Weights for Resistance Training in Novice Males? A Randomized Parallel Trial. International journal of environmental research and public health, 17(21), 7848.


この研究は、実験開始時に筋トレをしていなかった18-45歳の男性を対象として、フリーウエイト種目とマシン種目のトレーニング効果を比較しています。

具体的には、対象者はランダムに次の3つのグループに分けられました。
・フリーウエイト群
・マシン群
・マシン+フリーウエイト群

実験期間は10週間、トレーニング頻度は2回/週です。
フリーウエイト群はバーベルスクワット、ダンベルベンチプレスといったダンベル・バーベル種目、
マシン群はレッグプレス、チェストプレスといったマシン種目、
マシン+フリーウエイト群は、前半の5週間ではマシン種目を後半5週間ではフリーウエイト種目を実施しました。
なお、強度(RM)やセット数、種目数はどの群も同じでした。

結果はシンプルです。
トレーニング前後で測定された筋肥大の指標(胸囲、上腕周径、大腿周径)、筋力(最大下負荷の最大反復回数から推定した1RM)は、全てのグループで増加しましたが、群と時間の間には相互作用は見られませんでした
また、他の研究では認められることがある種目の特異性(フリーウエイト群はフリーウエイトの筋力が著しく伸び、マシン群はマシンの筋力が著しく伸びる)も起きませんでした。

この結果に基づき、論文の著者らは次のように述べています。
個々の好みに合わせて、筋トレの器具を自由に選択できる。

トレーニングの現場では、フリーウェイトが軌道が確保されていないため、重量をコントロールするためにより多くの筋肉が活動するとされ、優れたトレーニング効果が期待されています。
しかし、少なくとも男性初心者を対象とした場合、筋肥大や最大筋力に与える影響はさほど変わらないようです。

この研究から学べることは、トレーニングの効果には一貫性があり、個々の方法論(フリーウエイトorマシン)が違っても、結局は同じ効果が導かれることです。
(強度、セット数、種目数がある程度一緒という条件付)
ということで、『異なるアプローチ、結局は同じ結末説』を支持する研究の紹介でした。

目標を達成するためには、自分が続けられるアプローチを見つけ、取り組むことが重要です。  
マシン種目を機械的にやるのが得意な人はマシンを積極的にやりましょう
フリーウエイトで自分からフォームを作っていくのが得意な人はフリーウエイトをやり込んでいきましょう

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髙山 史徳/Fuminori Takayama
執筆家としての活動費に使わせていただきます。