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「不動産業務豆知識10 宅建『業』」FM笹谷部長 Vol.72

FMグループ社内報Vol.72【投稿者:笹谷部長】

皆さんは、車の運転はお好きですか?
好きな方も苦手な方も少なくとも運転免許証は所持されているかと思います。もしも運転免許証を所持せずに運転していたら、道路交通法違反により反則金を取られてしまいますよね?当たり前の話です。

実は、宅建業も同じです。
宅建業法第3条にこうあります。「宅地建物取引業を営もうとする者は、(中略)国土交通大臣(中略)都道府県知事の免許を受けなければならない。」つまり、宅建業を営むには大臣や知事から免許を受けなければならない訳です。免許制という事ですね。

そして宅建業法第2条第2号(用語の定義)にはこうあります。
「宅地建物取引業(とは)宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。」

これは不動産を自ら売買や仲介を業として行うものは宅建業に当たります。という事です。
ここで問題になってくるのが「業として行う」の部分です。あまり聞きなれない日本語だと思いますが、反復継続的に事業を行うというイメージですが、これについては法律上の規定がありません。

そこで判断基準として活用するのが国交省の「宅建業法の解釈・運用の考え方」というガイドラインです。因みに誰でもネットでダウンロード出来るので是非見てみて下さい。

このガイドラインによる定義はこうです。
「業として行う」とは宅地建物の取引を「社会通念上事業の遂行と見ることができる程度に行なう状態」を指すものである。
具体的には
①取引の対象者
②取引の目的
③取引対象物件の取得経緯
④取引の態様
⑤取引の反復継続性について諸要因を勘案し総合的に判断を行う。
という事のようです。

何だかややこしいですよね。
これを簡単に言うと「広く一般の人に利益目的で転売する行為を自ら反復継続し行う事は事業と見なされる」という事になります。

さて、ここからが本題です。
普段我々が接する個人のお客さんの中に投資目的の方が居た場合注意が必要です。オーナー業(大家さん業)目的なら問題ありませんが、転売目的だとさっきの内容に引っ掛かってしまい無免許営業と見なされてしまいかねない事となります。

無免許営業を仲介の立場でお手伝いする行為(幇助)はかなり刑罰が重く、指示処分・業務停止処分や情状が特に重い場合には免許取消処分の対象になります。
また刑法上の幇助犯として処罰の対象になることもあります。

とは言え、ケースバイケースで、やり方もあるので都度相談して下さい。
車の運転も宅建業の営業も周りの状況を良く確認する事が大事です。皆さん自身と家族の為にも安全運転(運営)で行きましょう!(急加速・急停止は危険ですよ!)

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