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ヒロイックファンタジーの思い出「タルマ&ケスリー」
ヒロイックファンタジーについて無性に語りたくなったので書きます。以下、レビューではなく、あくまでも感想です。推しへのファンレター?みたいなものかもしれません。
(作中、猛禽と氏族という要素がしばしば登場することに合わせて、ヘッダー画像を使わせて頂きました。ありがとうございます)
表題は、作家マーセデス・ラッキーの小説に登場する主人公二人組の名前です。いわゆる剣と魔法の話です。
(二冊目をはろうとしたらエラーが出たので、とりあえず第一冊だけ。「タルマ&ケスリー」でググると版元のホームページで、各巻のタイトルを確認できます。また、書名だけでしたら、本記事末尾にもあります)
筆者は先日、この二人が主人公であるシリーズを読み終えました。全何冊と、いった構成の話はまたのちほど。
女性を主役にして喪失、恐怖、克服という王道に取り組むと、ここまで力の入った(今風に言うと「圧を感じる」?)表現になるのだなあと、筆力の強さに打たれました。出会えて良かったです。
百合という点からも少し。ネタバレと地雷を避けて語ると、主人公の女性二人組はどちらも異性愛者だけど、決して男性に都合のいい存在としては描かれていません。おかげで、ノゾキをしているような罪悪感は感じずに読めました。
難しい問題で筆者の手には負えないのですけど、とにかく男とか女とか気にせずに読んでも、十分に魅力的な主人公たちです。
なんとなくですが、21世紀初頭の、日本語圏の、そこそこの広さの界隈では、百合があって当然のものになっている気がします。そんな21世紀初頭に読んでも、タルマ&ケスリーは楽しいです。
第一冊『女神の誓い』は連作短編の形式だから、上下巻とか三部作とかに臨む元気が無いときでも読めて、大変ありがたかったです。
第三冊『誓いのとき』は短編集です。個人的には「炎の翼」と「竜の嘆き」が好みです。
第二冊『裁きの門』には「アマゾン・ファンタシーあれこれ」という中村融先生の解説が入ってて、未訳の世界が垣間見えてわくわくです。筆者は巴御前サーガTomoe Gozen Sagaが気になってます。
ネタバレと理屈っぽくなるのを避けて語るのが難しいのですけれども、とにかく筆者はタルマ&ケスリーに出会えてよかったと胸を張って言えます。