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自分のやりたいことが出てきたとき、私はよく種まきをしておきます。「やりたいこと」が、まだほんの小さな種のときに、さっさとまいておくのです。


一番簡単にできるまく方法はまず、誰かに話すこと。そして「やりたいこと」の種は、大それたことではなくていい。

あのカフェに行きたいんだよね~とか。
あの本読みたいんだよね~とか。

そういう簡単なこと。

どんなに自分の頭の中で妄想していても、言葉にしなければ自分でも気づけないし、ましてや他人が気づくわけもない。なので、とにかく種をまく。

そして、種をまくとどうなるか。

たとえば、カフェ行きたいんだよねと友だちに話したら、「え、私も行きたいと思ってた!今度一緒に行こう」となって、あっという間に叶ったりする。

「あの本読みたいんだよね~」と言ったら、「私その本持っているよ、貸してあげようか」となったりすることもある。

とにかく、こんな風に種さえまいておけば、何かの拍子に芽を出し、育つことがある。

なんにせよ、種はまかないことには芽を出さない。だから、とにかくまく。ただ、まいたとしても芽を出さないこともある。だから、たくさん蒔いておく。そうすれば一つくらい芽を出すはず。

そして、出てきたその芽を大きくしたいなら、手入れをして育てる必要がある。肥料や水を与え、太陽の光に当て、面倒を見て育てる。出てきた芽によって何が肥料になるのか、変わるだろう。合う肥料を考え、違っていたらまた別の肥料を与える。水の量も考える。多すぎても少なすぎてもダメだ。

必要なものを見極め、与え、大事に育てる。

すると、いつか大きな木になり、実がなる…かもしれないし、ならないかもしれないが、とにかく大事に育てないことには何も起こらない(中には、勝手に育つのもある)。


もし、書くことを仕事にしたいとか、ライターになって活躍したいと思ったなら、まず「ライターになりたい」の種をまく。そして大事に育てる。そうしたら、いつか芽が出て収穫できる=ライターとして活躍できるときが来る(かもしれない)。


種もまかず、大事に育てることもせず、最後の「おいしい果実」だけ収穫したいというのは、虫が良すぎるし、不可能だろう。


でも時々あるのが、間違った種をまくこと。


たとえば、誰かが食べていたバナナがおいしそうだなと思って、バナナの種をまく。芽が出て育てる。収穫してバナナを食べて気付く。そういえば私、そんなにバナナが好きじゃなかったとか。


笑い話みたいだけど、私はたまにしてしまう。活躍している、キラキラしてる人のこと、良いなぁ~と羨んで、自分も真似をしてやってみる。そしていざ手に入れたとき、これは私が本当にほしいモノではなかった…!と気付くこと。


でも、バナナならお金を出せば手に入れられるかもしれないけれど、「文章を書く」という技術は、どんなにお金を払っても手に入れられない。

自分で自分を育てないかぎり、どんなに高額な講座を受講しようとも、著名な先生の講座を受けようとも、結局、育てるのは自分だ。


ライター塾の受講を悩む人からの相談でよくあるのが、「ライター塾に入ったらライターになれますか」と「私はライターに向いてるでしょうか」だ。


そんなこと、私だって分からない。だってもう、その人次第だから。


もし、ライターになる才能や素質があったとしても、ちゃんと育ててあげられないと、途中で枯れるかもしれない。


ライター塾を受講することは、種をまくことになるのかもしれない。そしてその種が芽を出すか育つか、収穫できるかどうかは本人次第。


種をまいたあとなら、どうやったらうまく芽が出るのか、私はいろんなことを伝えられると思う。もし、何かつまずいていることがあれば、どうすればいいのか、アドバイスすることもできると思う。


ライター塾とはそういう場所だと思う。


でもとにかく、種はまいてみないと分からない。そして、芽が出るかどうかは、種をまいた人だけが考えるべきことである。


まだ種もまいてもないのに、芽が出るかどうか心配するのは、本当に謎。

追記)この話の本当に大事なことはこのあと。続きを書きました。


最後に自分で種をまき、自分で育てて、しっかり収穫したけいちゃんのnote を紹介!

京都ライター塾での学びは、インタビューの仕事にとても役立っている。
初取材では、もう一度学んだことをおさらいして準備を進めたから、無事に終えることができたんだと思う。

【10期卒業生】大阪在住ライター・香川けいこさん

※この記事は、過去に配信したメルマガを元に編集・公開しています。

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京都在住エッセイスト・ライター、ときどき大学講師 江角悠子
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