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新しい時代を生き抜くためにはファクトベースの生き方を身に着けろ

最近、後輩の仕事ぶりを見ていて思うことがあった。(これはある特定の後輩ではなくて複数の後輩)

一人の後輩は、自分に何ができるかを考え、何をすべきかを見つけようとしていた。
もう一人の後輩は、今までの自分の知識と経験に従って、何をすべきか判断をしていた。
最後の一人は、上司や顧客から言われたことに一生懸命に対応し、朝から晩まで忙しい毎日を過ごしていた。


3人とも社内では優秀な人材で、彼らの後輩からは尊敬されていて、先輩である僕から見ても僕以上の能力を持つ素晴らしい人材だ。


だいたいこういう話をすると、この3人の中で2人がダメで、1人が素晴らしいというストーリーになるのだが、今回は違う。


結論は、全員ダメ。


何が良くないのか一人ずつ見ていこう。

1人目は、「自分に何ができるかを考え、何をすべきかを見つけようとしていた。」となっているが、こういうタイプはいつまでたっても行動せず、行動したとしてもまたすぐ悩み、行動を止めてしまう。

2人目は、「今までの自分の知識と経験に従って、何をすべきか判断をしていた。」というのは、経験豊富なトップリーダーならわかるが、知識も経験も浅いまだ何の実績もないような人間が過去の知識と経験に従って物事を判断するなんて100年早い。

3人目、「上司や顧客から言われたことに一生懸命に対応し、朝から晩まで忙しい毎日を過ごしていた。」とあるが、人が成長をしていく上で最も重要なものは素直さであり、その素直さという点では非常に良いものを持っているように感じるが、実は、こういうタイプの人間は伸びない。

彼らに足りないものは何だったのか?


それは「事実に基づいて仮説を立て、事実に基づいて仮説を検証する」というファクトベース思考が欠けているのだ。


1人目は、自分のできることが何かについて悩んでいるだけで行動をしていない。
本来は行動が先にあり、行動によって得た事実によって次の仮説を立てるのが正解。
事実に基づかない仮説をいくつ立てたところで、1回の行動で仮説は全てゼロベースと化す。

2人目は、結局自分のやりたいことしかやらない人間だ。新しいことにチャレンジすることを無意識的に避けている。なぜなら、新しいことにチャレンジすることで、自分が積み上げてきた過去の知識や経験が無意味化することに気づいてしまっているからだ。ただそれを認めたくないから、自分のやり方で成果を出すことにこだわってします。

3人目は、目的を持っていない。目的を持っていないから、日々の仕事に忙殺され、点と点が繋がっていかない。この人間が行きつく先は、AIとの競争だ。自分自身で仕事に工夫を組み入れることもできないし、何より、自分自身で目的を掲げ、仕事自体を変えていくことができない。

ファクトベース思考とは、行動によって事実を集め、その集めた事実を分析することで経済や市場(自分が戦うフィールド)の構造を理解し、戦略を立て、実行に移していくことを指す。

事実は自分の外部にしかない。自分の中にあるのは意見だ。
自分の意見はもちろん大事にすべきだが、意見は事実に影響を受ける。
1つの事実しか知らない人間は多面的に物事を見ることができないので、その事実に大きな影響を受ける。多くの事実を知っている人間はあらゆる面からその事象を理解し、自分の意見を選択できるようになる。


今回の3人は1つしか意見を持っていなかった。
1人目はCan。2人目はWant。3人目はShould。

1つではダメだ。
3つをしっかりと持たなければ、持続することはできない。

後輩に言いたいのは、「まず事実を集めるために行動せよ!」ということだ。
がむしゃらに行動するのではない。事実を集めるために行動をするということを意識する。
そうすれば困難なことがあっても、それも一つの事実の収集だと割り切れる。


事実が集まれば、自分で物事を判断できるようになる。
もし、上司と意見が割れるようなことがあれば、持っている事実の数に差があることを疑ってみるといい。
上司の方がきっと多くの事実に基づいて判断を下している。
もし、上司が事実に基づいて判断を下していないように思うのであれば、それはとことんディスカッションすればいい。


どんな事実に基づいてどんな仮説を立てているのか?


仮説とは妄想ではない。
全ての仮説には根拠がある。
全ての仮説に根拠がなければその仮説は妄想となる。


ファクトベース思考を意識して、行動していきましょう。
移り変わりの早い現代社会を生き抜くために、仮説のスピードと精度を高めていきましょう!


※3人の後輩は、過去の自分でした(笑)


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