自己認識(セルフアウェアネス)とは?
自己認識(セルフアウェアネス)は、自分自身の感情や価値観、行動の傾向を深く理解し、それらが他者にどう影響を及ぼすかを見極める能力を指します。
今回は、自己認識の本質とビジネスにおける重要性、自己認識力を磨くことで得られる利点について、解説いたします。
〈目次〉
1.自己認識(セルフアウァネス)とは
2.自己認識の意味と種類
3.内面的自己認識について
4.外面的自己認識について
1.自己認識(セルフアウァネス)とは
「自己認識(セルフアウェアネス)は、心理学の用語の1つです。
研究者の間でさまざまな定義が存在していますが、主に以下のような意味があります。
・自分自身の内面を深く探求し、自分がどのような状況や精神状態にあるかを自覚すること
・自分自身の性格、能力、思考パターン、感情などを明確に把握し、理解する能力
自己認識力が高い人は、自分の行動に対して責任感を持ち、自分の強みや弱みを活かして自己改善や目標達成に努めます。
一方で自己認識力が低い人は、自分の感情に流されやすく、他人の目や評価に左右されがちで、自分の本当の願いや目的が見えなくなりがちです。
自己認識力はビジネスの現場でも重要なスキルです。自分の役割や貢献度を正しく理解することで、自信やモチベーションを高められます。
また、自分がどのように他者に見られているかを知ることで、人間関係の改善やコミュニケーションの向上にもつながります。
2.自己認識の意味と種類
「自己認識」は英語で「Self-awareness(セルフアウェアネス)」と表現されます。
ここでの「アウェアネス」は、「意識」「自覚」「気づき」という意味です。
組織心理学者「ターシャ・ユーリック」によれば、自己認識は主に2つのカテゴリーに分けられます。
①内面的自己認識
自分自身の感情や思考、価値観、欲求などを理解する力
③外面的自己認識
他人が自分をどのように見ているか、また自分の行動が他人にどのような影響を与えているかを理解する力
これら2つの自己認識力は必ずしも連動しているわけではありません。
一方が高く、一方が低い人もいれば、両方とも高い人もいます。自己認識力を高めるための鍵は、「内面的自己認識」と「外面的自己認識」のバランスを保つことが重要です。
3.内面的自己認識について
「内面的自己認識(internal self-awareness)」とは、自分が自分自身をどのように理解し、評価しているかという認識を指します。
これは自分の価値観や反応、他人に対する影響力をどれだけ明確に理解しているかを示すものです。
たとえば、「自分は性格が明るい」、「自分は短気な性格だ」といった自己評価は内面的自己認識の一部といえます。
内面的自己認識力が高い人は、自分が自分自身をどのように見ているか(つまり自己認識)と、自分の本当の姿(つまり実際の自己)との間に大きなギャップがないことが特徴です。
ギャップが小さければ業務においても期待通りのパフォーマンスを発揮しやすくなり、予期せぬ結果によるストレスを軽減できます。
そのため、仕事の満足度や幸福感が高まります。
4.外面的自己認識について
「外面的自己認識(external self-awareness)」は、他人が自分をどのように認識しているか、つまり他者の視点からの自己像を指します。
自分の価値観や反応が他者にどのように映るかを示すものです。
たとえば、「周囲から自分は明るい性格だと思われている」といった他者からの評価を取り入れた自己認識が外面的自己認識に該当します。
外面的自己認識力が高い人は、「他人から自分がどのように見られているか(と思っている自己像)」と「他人が実際に自分に対して抱いている印象」の間のギャップが小さい傾向があります。
外面的自己認識力が高いと、部下や上司、顧客などが自分に対してどのような感情や評価を持っているかを理解できるため、相手に対して適切な言動を選択できます。
これは、他者の立場に立って物事を考える能力、つまり共感力が高いことにも繋がります。
参照先: 「PHP人材開発」Webサイト
以上