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「伝わりやすい文章構成」と「ビジネスで使える文章構成」について


伝わりやすい文章を書くためには、構成が大切です。

今回は、文章構成の基本パターンとビジネスで使える構成と、書くためのポイントについて、ご説明したいと思います。 

〈目次〉 
1.そもそも文章構成とは 
2.覚えるべき文章構成の基本5パターン
(1)三段構成
(2)四段構成
(3)頭括式の構成
(4)尾括式の構成
(5)双括式の構成

3.ビジネスに役立つ文章構成フレームワーク
(1)ビジネス文書向き
  ①PREP法
  ②SDS法
(2)セールス文章向き
     ① QUESTの法則
  ② PASONAの法則 
  ③ CREMAの法則 
4.読みやすい文章構成の作り方のポイント
 ポイント1.  テーマやキーワードを決める 
 ポイント2.  ターゲットを設定する
 ポイント3.  文章の骨組みを考える
 ポイント4.  骨組みの中身を文章にする
5.さいごに


1.そもそも文章構成とは
文章構成とは、文章を成り立たせるために必要な要素の組み合わせのことです。

「章・節・項」や「要点・本論・結論」などが、これにあたります。

各種の論文・レポート、プレゼン・メール、その他にもブログ・小説・物語・スピーチなど、日常生活の中で文章を書く機会は思いのほか多いと思います。

「読みやすい」と思う文章の共通点として、文章構成がしっかりとしていることがあげられます。

場面に応じて、一般的に望ましい文章構成があります。文章構成をうまく使い分けることをポイントになると思います。


2.覚えるべき文章構成の基本5パターン 
(1)三段構成

三段構成とは、その名のとおり3つの要素で構成される文章です。

論理的に説明したい文章で用いられ、このような形に分かれます。

・序論
・本論
・結論


序論では、「どのようなテーマ・キーワードで書くか」など、文章全体の概要を紹介します。読者が何について書かれているかが理解できるようにすることが大切です。

本論では、主張・意見に対して根拠を述べます。裏づけるための具体的な例・論文データ・文献などがあれば、ここで示してことになります。

結論は、本論で述べたことをまとめる部分です。ここでは、読者が納得できる結論(本論と矛盾しない結論)を書くようにするのが肝要です。

(2)四段構成
四段構成とは、いわゆる「起承転結」と呼ばれる構成です。主に、「小説や物語」に向いた形式です。

本構成におけるパートは、下記のとおりです。

・起(導入)
・承(展開)
・転(変化)
・結(締めくくり) 


「起」は、その前提となる知識・情報など、読んでもらうために必要な内容をまとめている部分です。小説・物語では、「導入」とも呼ばれます。

「承」は、前段であげた知識・情報を詳しく説明する部分です。小説・物語では、「展開」と呼ばれることもあります。 主張につなげていく役割を果たします。

「転」は、「起」と「承」で展開した知識・情報から、伝えたい主張を書く部分です。小説・物語では、「変化」にあたります。

「結」は、その名のとおり結論・まとめを書きます。小説・物語では「締めくくり」にあたる部分です。


(3)頭括式の構成

「頭括式」では、冒頭部分に結論を持ってくる形式です。

・結論
・説明
・事実
・具体例


結論から始まり、その根拠や事実・データなどを書いていきます。

新聞記事や小論文など、短い時間で重要な情報を伝えたい時に最適です。


(4)尾括式の構成

「尾括式」とは、頭括式とは逆で結論を最後に述べる構成です。

・説明
・事実
・具体例
・結論(まとめ)


結論となる根拠や事実・データなどを伝え、結論で「~だから(なので)~となる」などの形で結びます。

先に説明した四段構成に近い構成と言えます。


(5)双括式の構成
「双括式」とは、「頭括式と尾括式」を合わせた構成です。


・結論
・説明
・事実
・具体例
・結論(まとめ)


最初に結論(主張)を説明し、その後に必要な知識・情報・データなどの詳細を述べ、最後に再度結論(主張)を書きます。

冒頭と最後で結論を書くことで、重要なポイントを強調する効果が出るので、商品説明やデータ紹介記事に最適です。

3.ビジネスに役立つ文章構成フレームワーク
ビジネスにおいて話したり書いたりする際においても文章構成がカギを握ります。

ここでは、「ビジネス文書」とが「セールス文章」に分けて、読み手に伝わりやすい文章構成(フレームワーク)について説明いたします。

(1)ビジネス文書向き
ここでは、プレゼン・営業などビジネスシーンでよく使われる、2つの構成について説明しましょう。

①PREP法
最初は、PREP法です。

・Point(結論)
・Reason(理由)
・Example(具体例・実例)
・Point(結論)


それぞれの単語の頭文字を取ったもので、2つの「P」は結論、「R」は理由、「E」は具体例という意味です。

最初に結論(P)。その後はそうなる理由(R)と具体例(E)を書き、最後はもう一度結論(P)を書きます。

つまり、「理由と具体例・実例」を結論で挟むと考えるとわかりやすいですね。

最初に結論、また最後に結論を書くことで、主張したい内容がわかりやすく伝えられます。

わかりやすさが求められるセミナーや社員教育、短時間で伝えることが求められる面接・プレゼンテーションなどに向いている構成です。

②SDS法
先に説明したPREP法と似ている構成で、SDS法というものがあります。

・Summary(要点)
・Details(詳細)
・Summary(要点)


最初に、全体の要点を簡潔に述べ、次に詳細。その後に再び要点を伝える構成です。

こちらは、「詳細」を「要点」でサンドするようなイメージで考えるといいでしょう。

とても読みやすい(記憶に残りやすい)構成なので、事実などをわかりやすく伝えることが求められる、プレゼン・営業、レポートなどに向いています。

(2)セールス文章向き
セールス文章とは、文字どおり「商品を売る」ための文章です。

わかりやすく書くと、下記の要素が求められます。

・消費者が持つ不安の解消
・買う理由を示す
・購入を後押しする


セールス文章に適した構成があります。
以下に、3つの構成について説明いたします。

①QUESTの法則
QUEST(クエスト)とは、セールスコピーライターのマイケル・フォーティン氏が自らのブログで提唱した、セールス文章の構成です。

・Qualify(絞り込み・宣言)
・Understand(共感・理解)
・Educate(教育)
・Stimulate(刺激・興奮)
・Transition(行動・変化) 


顧客の絞り込みからはじまり、共感・理解を求めます。その後、具体的な説明を行い、購入に向けた動機づけを行って、購入につなげていく手法です。

悩みやニーズはわかっているものの、まだ信頼関係のできていない段階の消費者をターゲットにします。

そのため、セールスレターだけでなくランディングページにも活用できます。  


②PASONAの法則
「PASONA(パソナ)の法則」は、経営コンサルタントの神田昌典氏が1991年に自らの著書で提唱したセールス文章の構成です。

PASONAは、下記単語の頭文字を取っています。

・Problem(問題提起)
・Agitation(共感)
・Solution(解決策)
・Offer(提案)※入らないこともある
・Narrow down(緊急性・絞り込み)
・Action(行動)


問題提起から始めて、共感を求め、解決策を提案します。

その後、緊急性・限定性を呼びかけ、それに反応した人へ向けて行動を促すという手順です。

明らかに必要性の高い消費者をターゲットとしています。そのため強い表現で伝えることが特徴となっています。

セールスレター(DMを含む)、ランディングページ・メルマガで使われることの多い構成です。


③CREMAの法則
「CREMA(クレマ)の法則」とは、すでに目的・行動が明確になっている消費者に向けたセールス文章の構成です。

・Conclusion(結論)
・Reason(理由)
・Evidence(根拠・証拠)
・Method(方法・手段)
・Action(行動) 

すでに目的・行動が明確な消費者に向け、最初に結論を提示し、次に理由・根拠(証拠)を示し、解決方法・手段を示すことで購入の行動を促します。

シンプルな流れで、セールスレター・メルマガ・ランディングページなど最後まで読んでもらいたい際に最適な構成です。



4.読みやすい文章構成の作り方のポイント

ここまで、文章構成の基本パターンとビジネスで使えるパターンについてご説明しました。 

以降は、読みやすい文章構成の作り方について、大切なポイントを4つ説明します。  


ポイント1.  テーマやキーワードを決める
文章構成を作る際のコアとなるのが、テーマ・キーワードの設定です。

これらは文章にとって最重要な部分なので、しっかりと設定してください。

ここでは、文章の内容よりもテーマ(何をどう伝えるのか)を考えるといいでしょう。  


ポイント2.  ターゲットを設定する
次は、伝えるべきターゲットの設定です。「ペルソナ」と呼ばれることもあります。

ターゲットを明確にすることで、訴求力が高まりますり

性別・年齢・職業・家族構成などにいたるまで詳細にターゲットを明確して、そのターゲットに訴える内容の文章にします。


ポイント3.  文章の骨組みを考える
ターゲットを設定した後、そのターゲット向けの文章の骨組みを考えます。

設定キーワードや文章の見出し(書く内容)を具体に考えます。


ポイント4.  骨組みの中身を文章にする
ここまで完成したら、骨組みの文章化に入ります。

ここでは、例としてPREP法(の応用型)をとりあげてみます。

・主張を提示
・理由(根拠)を示す
・具体例(実例)を示す
・要点をまとめる


上記を意識すると、伝わりやすい文章を書きやすくなります。 


4.さいごに

今回は、文章構成の基本パターンについてご説明いたしました。

大切なことは、読者に伝わりやすい文章を書くことです。

今回、ご説明した内容を参考にして、実際に文章を何度も書いてみることをおすすめします。

状況によって柔軟に文章をアレンジしながら作成していく。そのような実践的なスキルを身につけていただければ幸いです。

参照先: 「Enpathy Writing」webサイト

以上

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