着物/ 江戸小紋
「まるで無地のよう」といわれる緻密で繊細な一色染めの染模様
〈目次〉
1.江戸小紋の特徴
2.小紋と江戸小紋の違いとは
3.緻密な中にも違いが表れる様々な柄
4.小紋三役・五役
(1)小紋三役
(2)小紋五役
1.江戸小紋の特徴
「江戸小紋」。最大の特徴と言えるのは「まるで無地のよう」といわれる緻密で繊細な一色染めの染模様です。
2.小紋と江戸小紋の違いとは
「小紋」とは、模様を一方向に繰り返し型染めした着物のことを指します。
「小紋」は、縫い目を超えて柄がつながる訪問着などのフォーマル着物とは違い、柄を繋げず、同じ柄が繰り返し染められています。
柄は大小あるものの一目見て分かる程度の大きさです。
一方で 江戸小紋 は同じ一方向の型染めではありますが、その柄は遠目に見ると無地のような極めて細かく小さな柄付けになっています。
その柄は、細かく繊細であるほど難易度が高く職人技とされます。
江戸小紋職人は、まず柄を合わせやすい大柄から修行を始め、およそ10年もの時間をかけて江戸小紋の代名詞とも言える繊細な柄を染められるようになると言われています。
また、江戸小紋は「小紋」とついていますが、柄付けや紋入れによってフォーマルな場面で着られることも特徴の一つです。
金糸銀糸の袋帯を締めることで、略礼装として入学式や卒業式などの式典に着ていただけます。
2.緻密な中にも違いが表れる様々な柄
江戸小紋はフォーマル、カジュアル、それぞれのシーンで活躍するのですが、柄付けによってより格調高く着ていただけるものがあります。
それが、小紋三役・五役といわれる柄です。
江戸小紋はもともと、江戸時代の武士の裃を柄染めしたことから始まったと言われています。
※裃(かみしも)の武士の正装として着用されていたもの
裃で使われる格の高い柄は定め小紋と呼ばれ、諸大名は「自藩の柄」と定めた柄を他藩や庶民が使うことを禁じていたといいます。
3.小紋三役・五役
(1)小紋三役
◉鮫(さめ)
点が扇状に集まって鮫の鱗のような模様になります。堅い鮫の鱗を鎧に例え、魔除け・厄除けの意味を持ちます。
◉行儀(ぎょうぎ)
斜め45度に整然と並んだ点が特徴です。
行儀良く並ぶさまと、45度が良いお辞儀の角度とされることから礼儀正しさ・礼を尽くすといった意味を持ちます。
◉角通し(かくとおし)
正方形の点が縦横垂直に規則正しく連なった柄です。真っ直ぐ筋を通す、という意味を持ちます。
(2)小紋五役
小紋三役に「大小霰(だいしょうあられ)」、万筋などの「縞(しま)」の二つを加えると小紋五役となります。
この二柄は小紋三役に次ぐ格であるとされます。
参照元: 「KIMONO NAGAMI」Webサイト
以上
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