演劇実験室/ 「天井桟敷」
1967年1月1日に、寺山修司、横尾忠則、東由多加、九條映子らにより結成された劇団である。
見世物の復権、犯罪的な傾向、市街劇の上演などの方法を展開しながら、既存の演劇の制度に対する批判を展開した。
第一回公演は67年4月の《青森県のせむし男》。戯曲と演出は主に寺山修司が担当した。
寺山修司は既存の演劇にはないアイディアを通して、既存の演劇の制度への批判を展開した。
例えば、体重100キロ前後の女性たちをただ舞台に並べる《大山デブコの犯罪》(1967)のような見世物の復権であり、舞台に実際のフリークスを登場させるといった犯罪的な傾向であり、また観客にチケットの代わりに新宿の地図を渡し、演劇を求めて街をさまよい歩かせる《人力飛行機ソロモン》(1970)のような市街劇の上演などが、この劇団の特徴である。
ヨーロッパやアメリカの前衛演劇やアントナン・アルトーの演劇理論をとり入れた方法は、海外では高い評価を得、フランス、オランダ、イラン、アメリカで公演を行なった。
83年に寺山修司が逝去、81年の《レミング 世界の涯てへ連れてって》が最後の作品となった。
萩原朔美、若松武ら多くの作家・俳優を輩出したことでも知られている。
参照元: 「artscape」Webサイト
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