【豆知識】日本の伝統文化『落語』について
①落語の歴史/ ②「江戸落語」と「上方落語」の違い/ ③「古典落語」と「新作落語」の違い
落語には「江戸落語」と「上方落語」、「古典落語」と「新作落語」があります。
東京の落語家と関西の落語家による落語を聞き比べてみると、いろいろな違いを発見することができます。
また、江戸時代から明治時代に生まれた作品を「古典落語」と呼び、大正時代以降に新しく作られた噺(はなし)を「新作落語」と呼んでいます。
落語の歴史や上述したそれぞれの落語違いが分かると、落語の楽しみが広がると思います。
〈目次〉
①落語の歴史
② 「江戸落語」と「上方落語」の違い
③ 「古典落語」と「新作落語」の違い
①落語の歴史
落語の始まりは、室町時代末期から安土桃山時代にかけてです。
落語の元祖と呼ばれる安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)という浄土宗の僧侶が、おもしろおかしく仏道を説き、オチをつけて笑わせていました。
その後、江戸時代になると京都、大阪、江戸に語りを生業とする職業的落語家が登場し、寄席という形が芽生えたそうです。
「落語」と書いて「らくご」と読まれるようになったのは明治時代からです。
それまでは「落とし噺(ばなし)」と言われていて、「落ち」を聞かせる噺でした。
その後、ストーリーが語られるようになり、登場人物の行動や言葉、人情の機微などが落語のおもしろさとなり、「落ち」は締めくくるものへと変貌しました。
マクラ、本編、そして最後にオチという流れになったのです。
② 「江戸落語」と「上方落語」の違い
東京の落語家と関西の落語家の大きな違いは、言葉です。
「江戸落語」は江戸っ子が使うような江戸言葉で、大阪弁などの上方言葉を使うのが「上方落語」です。
また、お座敷などで語られていた「江戸落語」は人情噺などをじっくり聞かせて笑いを誘うスタイルで、小道具は扇子と手ぬぐいのみです。
一方、「上方落語」は扇子、手ぬぐいに加え、見台(けんだい)と膝隠しを使うときは張扇(はりおうぎ)と小拍子(こびょうし)も使います。
もともと路上で往来の人の足を止めて噺(はなし)をしていたため、派手に爆笑をとる賑やかなスタイルが特徴です。
では、「江戸落語」は東京で、「上方落語」は関西に行かないと聞けないのでしょうか?
およそ30年ほど前まではすみ分けがあったそうですが、今はそういうことはあまりなく、東京を拠点に上方落語を演じている落語家がいたり、東京の落語家が関西に呼ばれることも多いです。
③ 「古典落語」と「新作落語」の違い
江戸時代から明治時代に生まれた噺(はなし)が「古典落語」です。
それぞれの時代の落語家によりずっと語り継がれてきたものなので名作が多いですが、ほとんどが作者不明の作品です。
物語の多くは江戸が舞台で、主に長屋や商家など江戸庶民の暮らしや文化、風俗について描かれています。
時代の流れに左右されない普遍的な滑稽話、感動的な人情話などを楽しめます。
「新作落語」は、大正時代以降に新しく作られた作品のことで、落語家自身が作ったネタを演じることが多いため、落語家の個性を味わえるのが魅力です。
舞台は主に現代ですが、未来や異次元の噺(はなし)など舞台は自由自在です。
設定が現代社会のことが多いので、古典落語と比べると内容がわかりやすいのが特徴です。
参照元: 「OZmall」Webサイト
以上
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