物理の世界では私たちがあらゆる物質と同じである、素粒子というもので出来ていることが分かっている。 そして実は概念や思い込みや感情すらも、その正体はすべて素粒子である。 え?そんなわけない、なんでこのコップと自分が同じ?もっというと感情すらも自分と同じ物質で出来ているなんておかしい!と思う人もいるだろう。 それは否定しない。でも物理学的には事実そうであると言わざる終えない。 昨今は量子の世界が注目され始め、にわかにもこの世界は全てエネルギーで出来ているという常識が広がりつ
最近、私たちは一瞬一瞬の積み重ねでしかないということ、よく思う。 もっと言えば、(私)という存在は幻想であり、不確かであり、存在自体あるのかもわからない。 唯一、(私)を確かにしてくれるものがあるとしたら、 それはこの今、目の前にある一瞬の中。だけだ。 例えば切り取った映画のワンシーン、例えば美しく飾られた一枚の絵。 その全ては瞬間を描いているが、そこにはそれら前後の全てが内包されている。 そんなものが、私たち。である。 神は細部に宿る。という言葉をご存じだろうか。
あなたは言った 君はこうだと 私は言った そうじゃないと あなたは言った じゃあなぜ怒るのかと 私は迷わず思った お前のちっぽけな物差しで 私を図るからだよ、と。
心を閉ざす 真暗闇の中 感じていく 私を 私の半分はよく見える 柔らかく 熱が帯びてる 柔和で 滑らかで すべての人や物やコトのそれと 繋がっている もう半分のことはよく見えなかった 固く 冷たい朝のように 固執的で 不動のごとく すべての人や物やコトのそれを 遮断している その半分と半分が ひとつになっては また離れたりしている それは周期とも言えるサイクルのように いつも同じではなく 揺らいでる まさにすべての瞬間に生まれ変わってる ためらいがないと言えば
星は美しいかけら そこから ひとつぶを取り出す 記憶の果てにあるそれは なまあたたかい かぜがいう 手にあまる喜びだよ ぼくは歌う 手のひらにかかえた かけがえのない命のこと 例え明日が来なくとも 全ての瞬間が 彼女達へ 降り注ぐようにと まつ毛の長い 目じりの吊り上がった 嘘つきのいない表情には きっと 誰も彼もが虜になる この冬が終わる頃には 匂いほども残さずに 跡形もなく消える 満遍の星のかけらたち
ときめくキラキラの宝箱を思い出す 小さい頃、ママのセカンドバッグが 揺れるのを見てた 目の前の山が紅葉してる あらゆる色がおさめられてる 小さい頃、化粧台の前で 紅色のリップと青色のアイシャドウが 交わり合うと、ママは美しかった 見慣れないママの姿が 妙に私をソワソワさせた 目の前の山が高揚してる あらゆる色が山を美しくしてる あの時のリップとアイシャドウを 変なのとなじった私は 本当のことなんて 何も 知らなかったのだろう
僕は深呼吸を1つした 肩は力を持たず ただそこにいて 膝からは少し軋む音がしたので まるで骨が新しい事に 挑戦しているように思えた 細かく連なる体を 結果小さな細胞の集まりだと 誰かが言っていたので 動かす方法を知らなくて 傷だらけになった細胞達に キスをするように いたわりを持つ 決まり事の様に そこにいる全ての僕に 出来る事を考えた 深呼吸をして あの時、酸素は少しだけ僕らを 守ってくれていたように思う
触れたくなる 光がたまるところ シルクのような柔らかな存在 撫でるように 奏でたハミング 生きていれば 時にハッとするような 景色に出会うことがある 胸が一気につかまれて、そこに囚われて 通り過ぎてもなお 過去に留まっていたくなるような そんな光がたまるところ それは誰かの内部に 秘密に そっと触れるような それは急に吹いた風に 突風に 輪郭を失うような どうしても逃げ出したくなって 飛び出した 車で 朝方 一瞬に込められた 光がたま
砂を踏む感覚は 何か大切なものを踏みしめる感覚と似ていた そこには少しだけの隠匿と 太陽のような明るさがあった 踏みしめるたびに 命を感じ、消滅を味わう ふと見上げれば 風が波が音が光が まつげの間に滑り込んでくる 大切なものを踏みしめるたび 身長が少し伸びた気がして 痛む胸を両手で押さえてた どんな時も ここにはずっと海があった ☆EYECOを応援してみる(投げ銭専用ページに飛びます) https://note.mu/eyeco/n/nde5e7485c937
死と自分との狭間には ぼんやりとした雲があって いつでも向こう側を感じられるのだけど 今はこちら側にいるというだけのこと 生の息吹は どこかしこにも溢れていて この寂れた東京を潤している ホームで電車を待つそのとき 信号機が青になるそのとき 背後にヒヤリとのしかかる 死のあまりにもハッキリとした温度が 少しだけ心臓の鼓動を早くする 死と自分との狭間には もうまもなく、ぼんやりとした雲がかかって 見えなくなる 遠くなる そうして毎日近くに来ては 何もなかったかのよう
余すことなく 空がキレイだった 雲と雲は 扇状に広がる 扇子みたいだ その隙間を埋める 青い空間は まるで 悩みごとがなくなった後の 心のように軽く その上に広がる粒々の星の子供たちは のちにくる夜を 心待ちにしてる 私は 私だけの仕草で 美しさの中にある匂いを嗅いだ 鼻の奥がツーンとする ワサビみたいだ 美しさはいつも ツーンとして 少しだけ痛みがあって なんていうか とても強い存在で 夕方の心を埋めるのは いつも そんな美しさだっ
月の影を追いかけてる スッポリと雲に覆われた満月らしい光が 少しだけ裏側で笑ってる 私は少しだけ裏側の温度のことを想う 月の影が逝く頃に そこに月があったことを示すものは何もない 私が目撃した月を、知る者は誰もいない 月の笑い声が 今も山をこだまして 私の心を突き動かしているのに 匂いさえも残さずに 行ってしまうんだ いつも ☆EYECOを応援してみる(投げ銭専用ページに飛びます) https://note.mu/eyeco/n/n
ふと夜中に目が覚めて この世界がひっそりと終わろうとしてたら どうしようかと思う もし外の世界が 全てニセモノで リアルだと思っていた照明もエキストラも 舞台を降りて片付け始めてたら どうしようかと カーテンの隙間から かろうじて街灯が入り込んできて 今は まだ 私は真っ暗な部屋の中にいても 外の世界が まだそこにあって 蠢いている様を感じられる もし今この世界が終わろうとしていて 私がそれに気づいてしまったら このまま寝たふりをするべきかな もし本
音みたいなものが 溢れている それはまるで情報量の多いTVみたいに 本物はなくて 空洞が広がっている スカスカする心が 何かに埋められるのを待つ そんな ちいさな夜のこと つけっぱなしのTVも イヤホンから聞こえる 消し忘れたジャズも 夜を埋める星のように 完璧ではなくて 寂しさは消えない 月は光るのをやめて 星に席をゆずった様だった 私は思い出すのを やめたかった ゆるす限り 明るくなるまでには 愛に この恋を 明け渡したかった ☆EYECOを応援してみる(
月の影を追いかけてる スッポリと雲に覆われた満月らしい光が 少しだけ裏側で笑ってる 私は少しだけ裏側の温度のことを想う 月の影が逝く頃に そこに月があったことを示すものは何もない 私が目撃した月を、知る者は誰もいない 月の笑い声が 今も山をこだまして 私の心を突き動かしているのに 匂いさえも残さずに 行ってしまうんだ いつも
記憶には 狭間があった 本物の記憶と 知らぬ間にでっちあげた記憶 その狭間はとてもあいまいで きっと手を伸ばしても見つけられない 私は遠くでぬかるんだ泥のように 乾くのを待ってた よく見ると あらゆる記憶は 『私』を創っていて この私に影響してる 呼応してる 波紋してる 記憶は全て あいまいで不確かで 鮮明で本物っぽい 私はいつもそれに踊らされて 泳いでる 真っ白な海を ねぇ ほら 記憶を辿ると 今の私に出会うのよ どこまでも続く 螺旋階段を登