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ある夜のこと

星は美しいかけら

そこから
ひとつぶを取り出す
記憶の果てにあるそれは

なまあたたかい 

かぜがいう
手にあまる喜びだよ

ぼくは歌う
手のひらにかかえた
かけがえのない命のこと

例え明日が来なくとも
全ての瞬間が 
彼女達へ 降り注ぐようにと

まつ毛の長い 目じりの吊り上がった
嘘つきのいない表情には きっと
誰も彼もが虜になる

この冬が終わる頃には 
匂いほども残さずに 
跡形もなく消える 満遍の星のかけらたち

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