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読書感想_絵師金蔵 赤色浄土

夏の読書感想文です。
写真は、絵金に行った時の写真が見つからなかったので、絵金所縁の高知城にしました。


読んだ本

真っ赤なブックデザインが目についたのと、絵金は以前から好きだったので読んでみました。

絵金とは?

弘瀬金蔵は、現在の高知県に実在した江戸末期〜明治にかけての幕末を生きた絵師です。
実家は高知城下にある髪結師の家で、決して裕福な家の出身ではありません。

高知城下の豪商に才能を買われて江戸の狩野派に弟子入りし凱旋帰国しますが、周りに疎まれたのか贋作疑惑を立てられ、高知城の城主山内家の御用絵師の仕事ができなくなります。

そのため土佐内様々な民間の仕事や、絵の教室などを開いて生計を立てていきます。
現在でも高知の、特に赤岡に沢山の絵金屏風が残り、普段は赤岡の絵金蔵に展示、保存し、毎年7月にはこれを出して、所有する家家に戻し、本物の蝋燭の火で彼の描いた屏風を見学できる絵金祭りを行っています。
絵金蔵
https://www.ekingura.com/
絵金祭り
https://ekinmatsuri.com/

読後感想

絵金のダイナミックな絵が以前から好きで、高知の絵金蔵にも行ってきました。
人間関係に翻弄されつつも、狩野派の豪奢でダイナミックな画風をベースに、自分風に落とし込んでオリジナリティを出して愚直に、時には柔軟に仕事をこなしていった絵金の物語は勉強になりました。

高知の絵金蔵の向かいに歌舞伎座があるのですが、歌舞伎を愛した絵金にとっては最高のロケーションなんじゃないかなと思います。

ストーリーじたいは、作者が高知出身なので地名や高知人独特の人間性を出場キャラクターによく落とし込んでいるので、高知出身の人は首を縦にふるシーンが多いのではと思います。
絵金は幕末の人なので、高知出身の幕末の有名人なんかも出ていて、獄中で描いた自画像が今も残る、絵を描くのが趣味だった武市半平太は絵金の弟子だったとをこの本で知って驚きました。
また、幕末の人間の不安感と現代社会の不安感がちょっと重なる作品でもありました。

とはいえ、高知や歴史、絵金に馴染みがない人にとっては厳しい作品かと思いました。

この小説をもとに、NHKがCGなどを使って面白い演出で、3夜連続正月特別時代劇なんかやったら、面白いものができるんじゃないかなと思いました。

おわり

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