見出し画像

Not 製品 → but 商品 じゃなくてやっぱり製品だろ今の時代。中身で勝負しろよ

会社の経営にとってお金は大事だし、売れるものを生み出すことも大事ですが、お金や売ることに終始すると大事なものを見失うと思います。

僕は昔、メーカーにいたので、自分たちが作っているものは「製品」だと思っていたのですが、ある時期から「商品」と呼びなさい(考えなさい)とトップや上層部から言われるようになりました。1990年代ぐらいですかね。

その趣旨は、儲からなければ従業員の生活も豊かにならない、会社も存続していけないというところから、売れる商品、利益の出る商品を作ることを念頭に置いて仕事をしなさいというようなものでした。

それが素直に、人気商品を生み出す方向に向けばいいのですが、人気商品を生み出すのは非常に難しくて、実際には、利益を出すために1円単位までコストを切り詰めたり、デザインで付加価値を付けようとしたり、高価格帯の高級路線にシフトすることなどを考えていくので、本質的な製品の良さを引き出すことはできないし、顧客も別に喜ばないというような状況に陥ってしまうのです。

僕は個人的には「メーカーあるある」だと思っています。

なんでも「商品」と言い出して愛も無くなりユーザー不在になった

金融機関のサービスでも、昔は「商品」とは言わなかったと思います。
やはり1990年代(あるいは1980年代)あたりから「商品」と言うようになったんじゃないでしょうか。
メーカー製品ならまだ実体があるからいいけど、サービスなんて形が無いものに「品」という言葉を使うなんておかしいですよね。

「商材」という言葉も同様です。情報商材なんて言いますよね。

とにかく全てが「売りたい」という動機(モチベーション)から始まっている動きなのです。

ユーザーのことは考えていません。
作り手や担い手のことも考えていません。
考えているのは「経営」だけです。

「ホールディングス」も一緒だろう

近年の大企業は、ホールディングスと名乗ることが多くなりましたが、なんなんでしょうね、ホールディングスって。

コーポレートイメージが「ホールディングス」になってしまっているんですよ。全然、中身を表現していないですよね。
内容と全く違うタイトルを記事に付けるのと一緒です。

関心事はひたすら「経営」なのです。
企業が生き残ることしか考えていないのだと思います。

ユーザーのことは考えていません。
作り手や担い手のことも考えていません。
考えているのは「経営」だけです。

家電・雑貨メーカーのバカ高いスマホや中身のないパソコンなど

売るために全てのことをするのが最近の流行りみたいで、また、従来なら業界の垣根ってなかなか越えられなかったのが、ITやコンピュータの進歩や価値観の変化によって、比較的簡単に越えられるようになりました。
個人でも簡単に商売を始められるようになりました。

その結果、家電・雑貨メーカーがデザインだけのバカ高いスマホを作って売ったり、中身のないパソコンを作って売ったり、平気でするようになりました。

デジタル時代だ!アイデアさえあればなんでもできる!

と思っているんでしょうが、実際の中身を見ると惨憺たるもので、とてもまともに使える代物ではありません。
ユーザーのことを思ったら、そんな詐欺っぽい商品は平気で売れないと思います。根本的に、ユーザーや作り手を無視していて、経営のことしか考えていないからそうなるのだと思います。

中身がなくて国際競争に勝てるのか?

結局は、しんどいから目先の利益に飛びついているだけで、基礎体力は全然、身についていないのです。
製品、コンテンツ、サービス、そのものを直視しないで「商品になるから」というだけで商品開発や企画をして、本当に国際競争に勝てると思っているのでしょうかね。
国際競争に勝っている会社の製品・サービスを見て、物真似で作っても、同じものには絶対になりません。それに、目標がそこにあったとすれば、絶対にそれ以上にはなるはずもありません。

Googleだって理念に「ユーザー本位」を挙げているのだから、ユーザー(顧客)、従業員、製品(サービス)は一番大事なのではないでしょうか?

商品、商品、と言わず、今こそ製品・サービスについて真剣に考えて、社会的意義を持たせてほしいと思います。

関連記事

いいなと思ったら応援しよう!