主役と脇役、あとで分かること
動機と主役
夜の街を歩いているときに、夜景がきれいだなあと思うことはよくあって、このときもそう感じました。
駅から外に出たときに、向こうにグランフロント大阪のビルが見えて、その佇まいがなんかいいなと思いました。
この写真を撮った動機は、グランフロント大阪のビルを含めた街を撮りたいということだったので、具体的な主役はビルになっています。
つまり最も撮りたかったものはビルです。
/* 僕が風景を撮るときにはいつも主役と脇役を意識しています。風景写真には必ず被写体と背景が存在するので、少なくとも主役(被写体)と脇役(背景)が一つずつ存在すると言っていいのではないでしょうか。 */
脇役
このとき、何もなければ脇役は周りの街の夜景になったと思いますが、僕は人々を入れたいと思いました。
なので脇役はその場に通りがかった人々にしました。
そこに、いい感じで誰かが入ってくれることを期待して待ちます。
そうか、車も通るな。とか、イメージと全然違うおばちゃんが通ってドテッとなったり。(← これは単にジョーク)
それであーこの人いい感じ!あーこの入り方いい感じ!と思った時に改めてフレーミングしてシャッターを切ります。
あとで分かること
最初に撮ろうと思ったグランフロントのビルはしっかり入っているし、街の風景も人々も、いい感じで納まりました。
よく見ると、タクシーとバスもいい感じで入っています。
タクシーは黒くて見えにくいけど、無かったら都会のイメージがちょっと減ったかな?
バスは絶妙で、タイミングがズレていたらバスの写真になってしまいそう。無くても良かったけれど、右上の看板がちょっと目立つので、それを緩和する役割にはなったかもしれないなと思いました。
人間は人間の方にすぐ目が行くので、この写真の主役は人々という見方もできますが、それだったらこういう構図にはならなかっただろうと思います。
こんな感じで、最初に自分が感じたこと(動機)が結果にうまくつながっていると思いますが、予期しなかった脇役たちがうまく画面に入ってくれて、さらにいいものになった気がします。
街のスナップで全てを計画して構成することは不可能ですが、主役を決めることで大まかな構図が決まり、あとは偶然の脇役が盛り上げてくれるところが、街写真の面白いところではないでしょうか。
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