不出来な人間でいいからぬるま湯の中でずっと揺れていたい
ハイレベル、最高、一流、トップクラス
そういう種族になれなくていい。
熱くもなく冷たくもない、ぬるいぬるい水の中で、浮かぶことなく沈むことなく中途半端に漂っていたい。
誰の目にも止まらず、決して目立たず
特別に贔屓されることなく、特別に嫌われることもなく。
沢山の愛やお金を貰うことなく、僅かな幸福で目尻を下げて
くだらなくも楽しい数十年をずっとずっと、最初から最後まで余生のようにずっと流れて漂っていたい。
生きるときも、眠るときも、死ぬその時でさえもいつも目覚めの瞬間のように
ふっと気付いてその状態を受け入れる自然さでずっとずっと
ただこの宇宙の中にぽつんとずっと浮かんでいるだけでありたい。