インフルエンサーと企業広告の関係-Havard Business Reviewからの学び⑦
ソーシャルメディアを利用したマーケティングキャンペーンを実施する際、インフルエンサーの利用を考えることも多いと思います。今回、How Brands and Influencers Can Make the Most of the Relationship (Shunyuan Zhang)の記事を紹介します。Zhang氏は85,000以上のインフルエンサーのvideoポストを研究し、インフルエンサーが企業広告を宣伝することによる影響を研究しました。85,000のビデオを見るのはすごい努力です。
企業広告により失うフォロアー数
率直に、人は企業広告が嫌いです。広告をなくすため、プレミアム会員になり広告の無しのオプションを選択する人も多いのではないでしょうか?それと同様に、人々はインフルエンサーが企業広告を流すことを嫌うのではないでしょうか?という議論から調査が始まっています。今回の研究はインフルエンサーとフォロアーの関係が分析されています。
研究の結果は、インフルエンサーが企業広告を流すと3日間で0.17%のフォロアーを失うようです。フォロアーはソーシャルメディアでは宝物です。フォロアーを失うことはインフルエンサーにとってつらいことです。
企業広告によりインフルエンサーが受ける試練
研究では、より人気のあるインフルエンサーの方が企業広告の配信により失うフォロアー数が多かったようです。加えて、批判的なコメントをもらうことも多々あるようでした。しかし、宣伝する商品のイメージと、インフルエンサーのイメージが似ている場合は、消費者がネガティブな感情を持つことは少ないようです。また、大手企業の広告は基本的には嫌悪されやすく、インフルエンサーに悪い印象を植え付けます。
インフルエンサーにとって、フォロアーの減少は財産を失うようなものです。商品による収益がいかに魅力的でも、自分のイメージに合わない広告の取り扱いは避けた方がよさそうです。フォロアーを失います。企業側も同様で、インフルエンサーの影響力が高いとはいえ商品のイメージに合わないインフルエンサーを起用すると、消費者離れを逆に起こしてしまう可能性があります。お互いのためにも、ミスマッチと感じる起用はやめた方が良いそうです。
考察
インフルエンサーが企業広告を流すことで、フォロアーを失うことは優位に想像がつくのですが、0.17%のフォロアーを失うという具体的な数字で示してくれました。インフルエンサーになってもイメージを変えて、大きく儲けることは絶対にやめた方がよさそうですね。企業も芸能人などより、インフルエンサーが消費者へ与えるイメージを正しく把握するのは難しいかもしれません。過去の投稿を詳細に分析しなければ、ブランドを棄損する可能性もありますね。インフルエンサーの起用は比較的コストが安いと思いますが、ブランドへの影響は気を付けた方がよさそうです。
Reference
How brands and influencers can make the most of the relationship. Harvard Business Review. (2023, April 10). https://hbr.org/2023/05/how-brands-and-influencers-can-make-the-most-of-the-relationship
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