飯田線秘境駅めぐり② 中井侍駅・田本駅
こちらの記事の続きです。
中井侍駅
金野駅から30分強電車に乗って、15:55に中井侍(なかいさむらい)駅にたどり着きました。
ここは断崖絶壁にある駅ですが、なんと駅と崖のあいだでお茶が栽培されています。知る人ぞ知る高級茶葉なんだとか。
駅に隣接する形で家屋が立っており、畑はこちらにお住まいのご夫婦が管理されているようです。
さて、この駅では滞在時間が20分ほどしかないので、駅の撮影を済ませて急いで周辺を見て回ります。
駅前通り(?)は急坂になっており、そこには車が一台。先ほどのご夫婦のものでしょう。
通りの先には狭いながらも道が続いており、買い出しに使っていることを想像できます。
無人地帯にあった金野駅と違って生活感のある駅で、秘境には間違いないのですが心細さはありませんでした。
駅前通りから駅に戻り、駅ノートを記入すると次の電車まで3分ほど。待合室から見える天竜川は雨で濁ってはいましたが、茶畑の鮮やかな緑とのコントラストがなかなかきれいなものです。
ただただ数分間景色を眺めていると電車がやってきたので、乗り込んで次の田本駅へ向かいました。
田本駅
中井侍以上の断崖絶壁にあるのがこの田本(たもと)駅で、下車した瞬間「なんちゅうところに駅作んねん……」と思わず突っ込んでしまいました。
こちらでの滞在時間はさらに短い12分ほど。とはいえ、最寄の集落までは獣道を歩いて20分かかり、それ以外にはどこにも行けない、という場所にあるため、十分といえば十分です。
この駅はとにかくホームが狭く、電車がやってくるだけで身の危険を感じて待合室に退避せざるを得ないほど。
JRの駅なので点字ブロックが設置されていますが、写真の通り線路とブロックのあいだよりもブロックと崖のあいだのほうが狭いという有様です。目の不自由な方はなるべく来ないほうが良いでしょう。。。
そんなスリリングなホームを端まで歩くと一応「駅出口」があり、そこから階段を上ることができるようになっていました。
ここが前述の集落まで続く獣道の入口なのでしょうが、「ここをたどれば人がいる」とはとても信じられません。
そのまま待合室に戻って駅ノートを記入すると、すぐに電車がやってきました。
やはり12分は短い。
田本駅は狭いがゆえに無人地帯特有の不安感がなく、中井侍のように川を眺めるには最高の場所に待合室があるので、またゆっくりやってきたいものです。
次は1日目最後の訪問、為栗駅に向かいます。
(つづき)