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50歳のリアル 食べ放題はもはや過去の栄光か?



私たち、ロスジェネ氷河期世代はこれまで数多くの時代の波を乗り越えてきました。バブル崩壊、不況、そして、その後のデジタル革命や社会の変化。常に挑戦と向き合いながらも、若い頃のエネルギーと情熱でやってきました。しかし、50歳を迎えた今、そんな私たちが直面しているもう一つの大きな現実があります    「食べ放題がもはや楽しめなくなった」**という現実です。

かつて、食べ放題といえば友達と一緒に盛り上がる定番のイベントでした。焼肉、バイキング、スイーツビュッフェ…とにかく「いかに元を取るか」が勝負の分かれ目でした。大量の肉や揚げ物、甘いものに挑み、胃袋の限界に挑戦することこそが、私たちの誇りだったと言っても過言ではありません。若さに任せてカルビを山盛り食べ、デザートまでがっつり楽しむ。その無邪気な姿は、まさに青春そのものでした。

50歳の現実    食べ放題はもう楽しめない?

ところが、50歳ともなると、その光景は過去のものとなりつつあります。今、焼肉食べ放題に行っても、カルビを1〜2枚食べた時点で、「もう十分だ」と感じることが多くなってきました。たくさんの肉を目の前にしても、若い頃のような食欲が湧かず、むしろその大量の脂が胃に重くのしかかってくるのです。

一口、二口で満足してしまう自分に驚きつつも、かつてのように「食べ放題で元を取ろう」という意気込みは、もはや体が受け入れない現実に気づかされます。油の多いカルビやホルモンを大量に食べることは、今では逆に「損」になってしまう感覚。消化に時間がかかるだけでなく、その後の胃もたれが数時間、時には翌日まで続くことも。

身体が求めるものの変化    肉から野菜へ

興味深いのは、この年齢になると、体が自然に「軽いもの」や「野菜」を求めるようになるという点です。若い頃は、野菜なんて添え物程度にしか思わなかったのに、今ではサラダや温野菜の方に自然と手が伸びるようになりました。焼肉屋に行っても、焼いた肉をサンチュで包んだり、付け合わせのナムルやキムチを楽しむ自分に気づくと、「本当に歳を取ったんだな」と実感せざるを得ません。

これは単なる食欲の変化だけではなく、体が栄養のバランスを意識するようになっているからでしょう。油の多い肉よりも、ビタミンやミネラル豊富な野菜が、身体のリズムを整えてくれるということを、無意識のうちに理解し始めているのかもしれません。

ロスジェネ氷河期世代の「食の変化」

私たちロスジェネ氷河期世代は、青春時代から「大量消費」の時代を駆け抜けてきました。何でも大量に、早く、そして手に入れることが成功の証であった時代。しかし、50代に差し掛かると、そうした価値観も変化してきています。食べ物にしても、「量」から「質」へのシフトが顕著です。少ないけれど美味しいものをゆっくり味わいたい、体に負担の少ないものを選びたいという欲求が、以前とはまったく違う形で現れています。

焼肉も、昔はとにかく安くてボリュームがあるところが好まれましたが、今では少し高くても、良質な肉を少量だけ楽しむ方が心地よいと感じるようになりました。食べ放題で無理して食べるよりも、厳選された数品をじっくり味わう方が、体にも精神にも優しい。そして、そのことに心から満足できるのです。

50歳の食事は「豊かさ」を再定義する

50歳を迎えた私たちは、ただ食べるだけではなく、「どう食べるか」、「何を食べるか」に対する考え方が大きく変わってきています。食べ放題で元を取ることが一つの目標だった時代から、今では自分の体に合った食事を楽しむことが最も重要になってきました。

もちろん、若い頃のように思いっきり食べることができたら、それはそれで楽しいかもしれませんが、50歳の私たちにとって、食事とは単なる栄養補給ではなく、「体を大切にする時間」なのです。焼肉のカルビよりも、サラダや温かい野菜スープが体を求めているという現実。それは、私たちがこれからの人生を、より健康的に、より充実したものにしようとしている証なのかもしれません。

ロスジェネ氷河期世代の皆さん、もう食べ放題にこだわる時代は終わりです。私たちは今、新しい食の楽しみ方を見つける時期に来ています。それは、量ではなく質、速さではなくゆっくりとした時間を楽しむこと。そして、その豊かさは、これからの人生をより良くしてくれるはずです。

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