なぜイヤな奴が出世するのか?中小企業の役員であるオレが説明しよう
オレは昔から思っていた。
「なんでこんなイヤな奴が上司なのか?」
「なんでイヤな奴ばかり出世するのか?」
もちろん上司全員がイヤな奴ではなかったけど、イヤな奴が多いと思っていた。
だが、自分が出世して見方が変わった。
イヤな奴を上司にせざるを得ない理由が、会社側にはあったのだと。
具体的に説明しよう。
上司の仕事は部下に結果を出させること
そもそも上司の仕事とは何か?
上司の仕事は部下をまとめ、結果を出すことだ。
自分一人ががんばって仕事をするのではない。
一人でやったところでたかがしれているからだ。
例えば、営業一人がよほどがんばったところで、増やせる売上はそれほどではない。
だが部署全体で50人いるとしたら、その全員がちょっとずつでも売上を上げられれば、全体でみるとかなり売上が増える。
そういうことをするのが、上司の仕事なのだ。
自分ががんばるのではなく、何らかの形で部下にがんばってもらうのだ。
こう考えると、イヤな奴が上司になる理由が見えてくる。
いい人が上司をすると、部下にナメられてしまう
仮にいい人が上司になったとしよう。
いい人なので、部下の言うことを真摯に聞く。
場合によっては、部下の代わりに仕事をしてあげることもある。
すると、どうなるか?
高い確率で部下にナメられるのだ。
あの人は何でも聞いてくれると、しょうもない愚痴のような話を聞かされ時間を浪費する。
言えばやってくれるからと、イヤな仕事を押し付けられる。
結果として、部下に結果を出させるという、本来上司がやるべき仕事は何もできなくなってしまう。
部下の意識が高く、放っておいても一人で結果を出そうとする人ばかりならば、いい人が上司でもいい。
だが残念なことに、大半の部下はそうではない。
特にウチのような有名でもない中小企業であれば、面倒なことはせず、ラクをしたい部下のほうが残念ながら多い。
そういう部下にやさしくしても、ナメられるだけなのだ。
イヤな奴が上司だと、みんながんばって働く
イヤな奴が上司になるとどうか?
イヤな奴はイヤな奴なので、みんな怖がる。
結果として、みんな怒られないようにがんばって働く。
もちろん、イヤな奴なので問題もある。
嫌がって辞める部下も出てくるし、会社の方針と合わない方向で突っ走るようなこともある。
それでも、いい人が上司になるより結果を出すのだ。
現実問題そうなのだ。
そういうわけで、会社はイヤな奴を出世させざるを得ないのだ。
本当はいい人が上司になり、結果を出すべきだと思っている
だがオレは思う。
本当はいい人が上司になり、結果も出すべきだと。
だってそうでしょ?
いい人が上司になったほうがみんな嬉しいし、いい人が出世して給料が増えて報われるべきでしょ?
いい人が、いい人なりのやり方で結果を出してほしい。
「この人のためなら!」と思ってもらい、部下にがんばらせてほしい。
たまには、部下に言うべきことをビシッと言ってほしい。
少なくとも、オレはそうありたいと思っている。