ちょうど1年前の記事を振り返る〜「ワーカーズエクスペリエンスの時代」〜
note毎日更新が先月半ばで1年を達成したのですが、ということは、毎日常にちょうど一年前の記事が存在するという事実に思い当たりました。
つまり、アプリDay Oneの"On this day"機能みたいなもので、「一年前の今日、自分は何を書いてたのかな」と覗く楽しみができたことになります。
で、早速、ちょうど一年前の記事はなんじゃらほい。
おー。これかー。
これがちょうど1年前とは。最近でもたまに参照記事に取り上げるぐらいには自分でもお気に入りの記事ですね。
消費社会が体験価値に重きを置くようになった変遷の話から入り、最近では仕事においても労働体験の向上が重要視されるようになってきたことを指摘した上で、ならば次は家庭労働の体験価値の向上を図るライフワーカーズエクスペリエンスの時代になるのではないかという展望を語った内容です。
うん、自分で改めて読み直しても普通に面白いですね。(自画自賛)
今でも変わらないどころか、ますます重要になってきてるかもしれないとさえ思います。
少子化対策が語られる時に、まだまだ何となく強制的手法や差別感覚に頼ろうとしたりとか、多少の出産育児インセンティブは打ち出しつつも「釣れた魚には餌をやらないぜ」というケチな気持ちが見え見えの罠だとか、なんなら「30歳になったら女性の子宮は摘出を義務づけてしまおう」という想像力豊かな案まで出てくる状況です。
悲しいかな、家庭労働の体験価値の向上を図ろうという雰囲気がまだまだ高まってる感じがいたしません。
先日もXで台風の目となってた、こちらのポスト。
共働きのご夫婦において、自分にばかり育児負担が偏っている妻の方が夫に激怒したLINEを公開されてます。
Xでは、ここで案の定、妻擁護派と夫擁護派に分かれてレスバ大会が開催されてしまったのですが、江草的にはこの問題の本質は「夫と妻とどっちがかわいそうか」じゃないと思うんですよ。
この場面で夫側にしても妻側にしても、こんな家庭内不和が生じてるというのは、その時点で家事育児エクスペリエンスの高度の低下状態です。
これでは、ご本人達だけでなく、こうした話を耳にした人たちも含め(噂に戸は立てられませんからね)、ユーザーであるか、もしくはワーカーであることをより優先するようになるでしょう。すなわち、他の体験(消費、労働)との格差が強すぎて、子どもを持つのは止めるか、子どもを持っても最小限にしようというインセンティブにつながります。
だから、こうやって育児で追い詰められて家庭内不和が生じるような状況を防ぐために、家事育児の体験向上の支援を図るのは社会の喫緊の課題なんですよね。
これは、1年前の記事での記述がそのまま今でも通じます。
1年経っても、状況の好転が見られず、全く同じことを言わないといけないというのは悲しい限りですが、でも根気よく地道に語っていきたいなと思います。
そんなわけで、ちょうど1年前の記事を振り返るのは、こうやって後日談的な話もできて、なかなか良いですね。
また気が向いた時にやってみようかなと思います。