見出し画像

🇺🇸 NIH: 海外からの「研究助成金」受領者に関わるリスク管理

以下の文章は、個人的な試訳です!

政府説明責任局 ( GAO )
資料 ( GAO-23-106119 )
2023年6月14日 発行
2023年6月15日 一般公開
原本  https://www.gao.gov/assets/gao-23-106119.pdf


連邦研究

国立衛生研究所 ( NIH )は、外国からの研究助成金受領者に関わるリスクを管理する為に、追加的な措置を講じることが出来る。

概要
連邦政府機関は、大学や研究所のような外国組織との助成金や、その他協定を通じて研究資金を提供することが出来る
このような共同研究は科学の進歩に繋がるが、特定の国がこの研究を悪用して米国に害を及ぼすことが懸念される。

我々は、各省庁が中国の3つの研究機関に直接または間接的に授与した連邦政府資金を調査した。
その殆どは、米国国立衛生研究所(NIH)から資金提供されたものであった。
NIHの監視は、海外の研究機関が、生物学的安全(バイオセーフティ)の要件も含む授与条件を遵守していることを必ずしも保証してい無かった


政府説明責任局 ( GAO ) 調査結果
政府説明責任局が情報提供を依頼した3つの中国研究機関は、2014年〜2021年までにおいて、連邦政府から直接、あるいは連邦政府から授与された業務の一部を遂行する為の補助金を通じて間接的に、研究資金を受領していた。

具体的には、米国国立衛生研究所(NIH)が武漢大学に20万ドルの助成金提供した。
しかし、選出された3つの事業体は全て、連邦政府賞の受給者または第1層の再受領者から、合計7件、総額200万ドル以上の下付金を受け取っている。
(図↓)

期間: 2014年〜2021年、 中国企業3社に対する賞金と補助金

注:
この図は、連邦政府からの報告要件に制限がある為、調査期間中に選択された事業体に対する全ての資金を反映していない可能性がある。


連邦政府機関や受賞者は、リスク評価の取り組みについて説明しているが、NIHのリスク評価の取り組みにはギャップが存在する。

2023年1月、保健社会福祉省(HHS) の監察総監室は、NIHに対し、海外の副受領者を持つ受賞者に対する監視、文書化、報告要件の強化を実施するよう勧告
この勧告に対応する為、NIHは追加的な権限が必要になる可能性があると指摘、政府全体の慣行を検討する予定であるが、それには時間がかかるだろうとしている。
しかし、連邦内部統制は、各機関がリスクに対処する為に適時に是正措置をとることを求めている。
NIHは、受賞者に対して長期的な措置をとる一方で、内部監視を強化できるような短期的な評価を独自に行っていない


政府説明責任局 ( GAO )が調査を行った理由
連邦政府機関は、研究やその他の目的の為に、大学や研究所などの外国の団体に資金を提供することがある。
このような協力関係は、機関の使命に利益を齎らし、公衆衛生などの分野の進歩につながる可能性がある。
その一方で、議会やホワイトハウスなどは、中国などの国が米国の国家安全保障や経済競争力に害を及ぼす可能性のある方法で、米国が資金提供した研究を悪用することへの懸念を表明している。

GAOは、武漢大学、武漢ウイルス学研究所、軍事医学科学アカデミーの3つの選ばれた中国団体に支出された連邦資金に関する情報を提供するよう要請された。

本報告書では、特に、2014年〜2021年までにおいて、GAOが特定した3つの中国事業体に提供された連邦資金の額と、政府機関と受賞者がリスクを評価する為に講じた措置について検証する。

GAOは、USAspending.gov 及びその他連邦政府データベースを検索し、連邦政府機関と米国に拠点を置く受賞者からの受賞契約書、進捗報告書、支払い情報、その他の文書を調査した。
また、連邦政府当局者と米国の受賞者に取材を行った。


勧告
GAOは、NIHに対し、海外の副受領者を含む賞の監督をより迅速に改善する為、内部プロセスの変更など、NIHの評価を行い、必要に応じて対策を実施するよう勧告している。NIHはこの勧告に同意した。


- INFORMATION SOURCE - 
US GOVERNMENT ACCOUNTABILITY OFFICE ( GAO homepage )
https://www.gao.gov/products/gao-23-106119