30日間の革命 #革命編 185日
坂本は改めて全校生徒に問いかけた。この革命運動に自分の意志で参加しているのかどうかを。坂本の言葉に全校生徒は静まった。警察沙汰になるという言葉を聞いたときは騒然とした。そして、馬場が発言をしたときは「馬場が止めてくれる」と誰もが思い、一瞬胸を撫でおろした。しかし、馬場は質問こそすれ、反対はせず着席した。そして坂本の投げかけ。誰もが自分自身で答えを出さなければならいということを思い知らされる。今この場は雰囲気で合わせていれば良いという状況ではない。自分の意志で行動をしなければいけない。生徒たちはそう感じていた。
「……今ここで発言するのは難しいよね。唐突にごめんなさい。もう少しだけ時間をとろうと思います。あと15分後にもう一回みんなに聞くので、それまでに考えておいてください。……何回も言うけど、私たちは全国のこのことを知ってもらうため、そして日本の教育を変えるために行動をしています。そのために、出来るだけみんなに残ってほしいと思っています。よろしくお願いします」
坂本はそう言うと、ステージからハケていった。残された生徒たちは再びざわざわと話を始めた。隣同士、そして友人たちとどうするのかを各々話し合っているようだった。
「小春、お疲れ様。……さて、どうなるかね」
加賀は話しが終わった坂本に話しかけた。
「……セト、ごめんね。まだ結論は出せなかったよ」
坂本は加賀にそう謝った。
「ううん。どっちにしてもあと15分後には結論が出るから、それまで待とう。……それより、馬場は何だったんだろう。俺はてっきり警察を待つのを反対するんだと思ってたよ」
「……そうね。でも、彼もここに残っているってことは少なくとも革命に対しては興味があるんじゃないのかな」
「……いや、おそらく興味があるのは小春だと思う。前に小春も言っていたけど、馬場は小春を超えることをずーっと狙っているんだ。今回馬場が協力してくれたのは、俺がそれをふっかけたからだよ。小春が休学中にこの革命を成功させたら小春を超えられるってね。……勝手なことをしてごめん」
加賀は馬場との出来事を坂本へと話した。
「そうだったんだ。でも、そのおかげでここまで人を巻き込むことが出来たんだから、セトのやったことは間違いじゃないよ」
「うん、ありがとう。……でも少し不安なのは、この後だよ。小春がいないからこそ革命を成功させようとしてくれていたけど、小春が戻ってきたってなれば、”小春を超える”ってことはこのままいけば無理になる。となると、前と同じで革命に反対派を作ることで小春を超えようとするんじゃないかって思うんだ。今なら尚更反対派は作りやすいと思うし、ここで俺たちの行動を止めたら先生とかからも感謝されてより名前を上げることが出来るじゃん。それが不安だよ」
「……うーん。確かに今の状態なら、ヒーローになることは割と簡単だよね。ちょっと様子をみなきゃかな」
二人はそう話していた。すると、
「ちょっと、勝手に話しを進めないでくださいよ」
と後ろから声がした。二人は振り返ると、そこには馬場がいた。
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