30日間の革命 #革命編 194日
坂本は鳥越との電話を切った。そして一息ついたあと、顔を上げる。そこには全校生徒の姿があった。そう、坂本はステージ上で鳥越と電話をしていたのだ。それだけではない。坂本たちは電話を体育館のスピーカーと接続しており、鳥越とのやり取りは全校生徒にも伝わっていた。
鳥越の話しを聞いた学生たちの気持ちは、益々革命へと向かって1つになっていた。この行動を“子どものわがまま”で終わらせないためにも、絶対に全国に届けようと、学生たち一人ひとりがそう思った。
坂本はマイクを取り、全校生徒に向かって話しを始める。
「今聞いてくれた通り、警察がやってきたそうです。いよいよこれから本格的な攻防が始まります。まだ強制的に扉を開けられることにはならないと思うけど、動きは激しくなってくると思う。そして、もう少し外が騒がしくなってきたらメッセージを撮ろうと思うので、よろしくお願いします」
坂本は全校生徒にそう伝えると、神原らとともに撮影の準備期間を始めた。
一方、電話を切られた鳥越は、警察に話しをする。
「お見苦しいところをお見せし申し訳ないです。えーどうやら学生たちは自ら出てくるつもりはないそうでして。この場合どうしたら良いのでしょうかね?」
「えーと、すいませんが状況がイマイチよくわからないので、現在の状況を教えていただいてもいいですか? 体育館の中には誰が閉じこもっているのですか?」
警官は鳥越にそう問いかけた。鳥越も、もうここまで来たらと思い、警官に全てを打ち明けた。
「な、なるほど。全校生徒で立てこもりですか……。私から説得してどうにかなればいいですが、ちょっとバリケードの様子を見させてもらってもいいですか?」
警官はそう言うと、体育館の様子を見て回った。
「これはかなりしっかりとバリケード張ってますね。こんな短時間でよくもここまで出来たもんだ」
どの扉も頑丈にバリケードが張られていたことに警官は思わず感心してしまった。
「これを無理やり開けるのは結構骨が折れますよ。私一人じゃどうにもならないので応援を呼ぶしかないですね。とりあえず、大事にする前に私からも中にいる人たちに説得してみますよ。再び中とコンタクトすることは可能ですか?」
警官はそう言うと、鳥越らに再び体育館の中にいる高橋へと電話するように呼びかけた。しかし、この後高橋の電話がつながることはなかった。坂本の作戦により、ここから大事になるまで外部との連絡を一切遮断することにしていたからだ。このまま時間が経ち、日も暮れれば親たちも心配し、学校に問い合わせが来る。そうなれば学校も警察も動かざるを得ない。そう踏んでいた。
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