30日間の革命 #革命編 193日

 「……もしもし」

 電話からは坂本の声がした。

 「お、お前は誰だ?」

 鳥越は高橋が急に電話を変わったので少し戸惑っている様子だった。

 「……教頭先生ですね。私は元生徒会長の坂本小春です。停学の際は色々とお手数をおかけしました」

 「さ、坂本だと!? ……お前ら、これはいったいどういうつもりだ!? 変なドラマに影響されたのかは知らんが、お遊びじゃ済まされない事態になっとるんだぞ! いいから早く体育館を開けて出てきなさい!」

 鳥越は坂本に代わっても、変わらずに怒鳴り続けていた。

 「……私たちはここを出ていくつもりはありません。私たちは日本の教育に革命を起こします。私たちがなぜこんな行動に出ているのか、これから全国の人たちにも知ってもらいます。先生たちもそのつもりでいてください」

 高橋同様に、坂本もいたって冷静に答える。

 「何を訳のわからんことを言っとるんだ! 日本の教育だと? たかだか学生風情が教育を語るなんぞ笑わせてくれる。そんなに教育のことを言いたいなら、まずは学校生活をしっかりと送ったうえで言いなさい。こんな身勝手なことをしておいて学校を変えようなんて、それこそ子供のわがままだ。お前たちはまだ子供なんだ。いいから早く出てきなさい。今ならまだ大事にならずに済む」

 「そうやって私たちを子ども扱いするからこそ、こうやって学校を変えたいって思うようになったんですよ。確かに私たちは未成年で、先生たちから見たら子どもかもしれません。でも、私たちにも意志はあるし、意見もあります。大人の言うことだけを聞いていることが正しい姿ではないはずです! この行動が正しいかどうかは分かりません。でも、私たちは私たちのやり方で表現します。子どもだからって甘く見ないでください!」

 「こっちが下手に出れば調子に乗りおって。いいか、さっきも言った通り、お前たちなんて所詮子供なんだよ! この後どうするつもりなんだ? 立てこもってそれで学校を変えたつもりになるだけだろ? ただのわがままなんだよ。周りに迷惑をかけることしか出来ないんだ。その行動が何になる? 私たち教師を困らせることがお前たちの言う”革命”なのか?」

 「違います。これは私たちの意志です。ただのわがままとなるのか、それとも”革命”となるのか。先生たちも最後まで見届けてください」

 坂本は強気にそう言い切った。

 「……いいだろう。だが、こちらはお前らの望み通り警察を呼んだぞ。今すぐそこに警官がいる。どうだ? こちらももう本気だぞ? これ以上この事態が長引くなら、当然警察のお世話になることになる。さぁ、これが本当の最後だ。今体育館から出て来たなら不問にしてやる。早く体育館を開けなさい!」

 「残念ですが教頭、私たちはその警察を待っていたんです。どんなことを言われても私たちはここから出ていくつもりはありません。なので、これ以上の交渉は時間の無駄です。私たちは革命を起こすための行動を起こします。先生たちも先生たちの信念に従って行動してください。それでは電話を切りますね。それでは失礼します」

 坂本はそ言い残し電話を切った。

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