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卒業の日 #毎日ネタ出し100日目
【タイトル】
卒業の日
【あらすじ】
人生とはつまり、終わりと始まりの繰り返しである。
何かが終われば何かが始まり、何かが始まれば必ず何かは終わる。
ここに一人の男がいるが、彼も今日で終わりを迎えようとしている。彼はこれまで色々なことに挑戦してきた。仕事に家庭に趣味にまで、ありとあらゆることを行い、これ以上は何もないと思う程にまでなっていた。
そんな彼は今日ここで卒業をしようとしていた。それは人生の卒業だった。しかし、決してネガティブなものではない。全てをやりつくし、この人生に一片の悔いさえない。なので、清々しい気持ちで卒業を迎えようとしていたのだ。
既に様々な準備は出来ている。妻と子どもにも手紙をかき、仕事も迷惑がかからないように退社をしてきた。
彼は早朝に、自分が生まれた町に繰り出す。そこで終わりを迎えようと考えていた。
その町には何十年か振りに訪れたため、町並みすべてが懐かしく感じる。そして、幼い頃に母親と手を繋いでこの町を歩いている姿が脳裏に浮かんだ。
気づけば男の目からは涙が流れていた。
何も後悔はない。何もやり残したことはない。でも、何故か涙が止まらない。
幼い頃の自分の笑顔が頭から離れない。
もしかして、まだ何かやり残したことがあるのか。この人生はまだ終わりを迎えるには早かったのか。
男はそう思いはじめた。
そして、少しずつ昇りゆく朝日をみつめ、その何かを探すことを決意する。
「俺は今日ここで卒業した。しかし、卒業は終わりじゃなかった。また新しい日々が始まるんだ」
そうして男は家族の元へと帰っていった。そしてこれから新しい日々に向けて始まりを迎えるのであった。
END
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