30日間の革命 #革命編 189日
馬場と仙波を仲間に迎え入れた白の会は、ここから革命に向けて一気に動き出す。馬場は、
「やるからには徹底的にやりたいのが僕の性格なので、ここからは手を緩めずいきたいと思いますよ」
とメンバーに向けて宣言した。
「この前まで革命に反対していた奴の発言とは思えない程気合い入っているな」
と森下は冗談混じりで馬場に話した。
「当たり前ですよ。あの教頭たちの言い方に僕は頭にきました。大人に従ってればいいって、僕たちのことを完全に下に見てますよね。それに進学のことを言えば黙るって思ってる。見せつけてやりましょうよ。僕たちがただの子どもじゃないってことを」
馬場も森下に対してそう答える。馬場の目は本気だった。
「もうすぐ15分経つわ。そろそろ学生達に確認を取る時間ね」
坂本は時計を見てメンバーにそう呼びかけた。
「先輩、任せてください。僕も協力します。誰一人として帰しませんよ」
馬場はここでも自信たっぷりにそう答えた。そして馬場はその宣言通りに事を成し遂げる。
15分経ったところで坂本たちは再びステージ上へと戻っていく。そしてそのメンバーを見た学生たちは再びざわめいた。なぜなら、馬場たちもステージ上に立っていたからだ。ステージ上には、坂本や加賀、江藤に森下など錚々たる顔ぶれが集まっている。そこに馬場と仙波が加われば、学生たちがざわめくのも無理はない。そして、そのざわめきは決してネガティブなものではなかった。
「このメンバーが集まったなら、本当に学校をひっくり返せるかも」
学生たちの間にはそうした期待感が湧き出しているようだった。そして馬場はその雰囲気にたたみかけるように全校生徒に向かって話した。
「革命を起こそう。自分たちなら絶対に出来る」
と話したことは非常にシンプルだった。しかし、シンプルだったからこそ、その言葉に重みが生じる。学生たちは体育館を占拠したときのような熱気を取り戻してきていた。
そして最後は坂本から、
「ならここにいる全員でいけるところまでいこう! そして、全国に私たちのことを伝え、革命を起こそう!」
と声をかけた。その掛け声に全校生徒たちは応じて声を上げた。見事に学生たちは1つになることが出来たのだった。
その時の掛け声は体育館の外まで響いた。外にいる教師たちは、その大きな掛け声が何を意味しているのかは分からなかったが、これから起こることを何となく予期させ、不安を呼び起こしていた。
「ほ、本当に革命が起こるのかも」
一人の教師がポツリとそうつぶやいた。この事態はもはや学校内だけで解決出来るようなものではなくなっていることを、このとき多くの教師や職員が感じたのだった。
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