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30日間の革命 #革命編 176日

 加賀の合図で、学生たちは一斉に動き出す。校内の火災報知器を鳴らし、体育館から教師を追い出した。そして、各入口にバリケードを張り、とうとう体育館を占拠することに成功した。体育館の外からは、教師たちが大声で呼びかける声がと、扉をガンガンと叩く音が響いた。

 体育館へと駆け戻ってきた森下たちは、その場でへたり込んだ。かなり強引な策ではあったが、何とか成功し力が抜けたようだった。また、体育館にいた全校生徒たちも、何が起こったのか分かっていない様子だった。学校を変えることには賛同したけど、具体的に何をするのかは知らされていなかったため、この急な展開についてこれずにいた。そのため、加賀は急いでマイクをとった。

 「みんな、急なことで混乱させてごめん。今、この状況を説明すると、”体育館を占拠”しました」

 加賀の話に、更に学生たちはざわめいた。

 「この体育館を占拠して、俺たちの主張を全国に届けるつもりです。このやり方が正しいかどうかは分からないけど、何かを変えたくて俺たちは今こうしてみんなの協力を経て行動を起こすことが出来ました。本当にありがとう。でも、安心してください。全員をこのままずーっとここに閉じ込めるつもりはありません。もう少ししたら、ここに残る人たちとそうじゃない人を分けていくから、出ていきたい人はそこで帰ってもらって大丈夫。そこは本当に自由だから。でも、もしこのまま全国の学校、教育を変えたいと思っている人がいたら、このままここに残って一緒に協力をしてほしい。また声をかけるから、それまで少し待ってください。本当に協力してくれてありがとう」

 加賀はそう言うと、マイクを置いた。そして、ステージ上から袖へとハケていった。学生たちは席に座ったり、友達と不安そうな顔で話をしたり、楽しそうに話をしたりと、様々な様子がうかがえた。

 加賀は駆け足でステージ上から降り、森下たちの元へと向かった。地面に倒れ込んでいる森下たちを見つけると、

 「お疲れ様! よくやってくれたよ! 本当にありがとう!」

 と声をかけた。

 「いやー、マジで焦った。途中で監督と目が合った時、身体が一瞬動かなくなったけど、何とか成功して良かったよ。でも、本当にやっちゃったな」

 「ああ。本当にみんなのおかげだよ。ありがとう」

 「お前も凄かったよ。よくここまでみんなを引っ張ったよ」

 二人はお互いの行動を称えあった。

 「でも、本番はこれからだ。次の準備に移るから俺は神原のところにいくよ。森下も後で来てくれ」

 加賀はそう言うと、森下の肩をポンと叩いてから、その場を後にし、体育館の端で撮影の準備をしている神原の元へと駆けていった。

 ▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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