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【イベントレポート】著者に聞く、「マネ型」徹底活用方法Vol.1_事業の勝敗を分ける戦略マネジメント
概要
リモートワークが定常化されたことによって、さまざまな変化が組織に生じている昨今。全員がオフィスで仕事をしていたときには把握できていた組織状態などがわかりにくくなり、会社の“見えない組織化”が急速に進行しています。
そうした中で注目を集めているのが「再現性のあるマネジメント技術」です。
今回は『急成長を導くマネージャーの型』の著者であり、株式会社EVeM代表取締役CEOの長村禎庸がオンラインでセミナーを開催。「事業の勝敗を分ける戦略マネジメント」をテーマに、マネジメントの「型」の活用方法について徹底解説しました。
スピーカープロフィール
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株式会社EVeM 代表取締役 兼 執行役員CEO
長村禎庸(ながむらよしのぶ)
2006年大阪大学卒。リクルート、DeNA、ハウテレビジョンを経てベンチャーマネージャー育成トレーニングを行うEVeM設立。 DeNAでは広告事業部長、株式会社AMoAd取締役、株式会社ぺロリ社長室長兼人事部長などを担当。ハウテレビジョンでは取締役COOとして同社を東証マザーズ上場に導く。2020年株式会社EVeMを設立。マネジメントナレッジの展開やマネジメントプログラムの提供を通じて、ベンチャー企業を中心とした組織能力の向上を支援している。2021年技術評論社より『急成長を導くマネージャーの型〜地位・権力が通用しない時代の“イーブン”なマネジメント〜』を出版。
#01 円滑に仕事を進める上で欠かせない、共通言語の重要性
まずは導入として、戦略の定義についてお話します。私は、昔、マネージャーに「自分チームを達成させるためのの戦略を持ってこい」と言われた際に、3C4P分析やセグメンテーション、ポジショニングなどをまとめた資料を100枚ほど持っていったところ、「そんなのは実行できないでしょ。相手はベンチャーだよ」と怒られました。
そこで「シンプルでなければいけないのかな」と考え、1枚の紙にまとめたOKRを持っていったところ、今度は「それは目標で、戦略ではない」と言われました。
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その時、私は「何を持って“戦略”と言うのか、戦略の定義は人によって変わる」と思ったのです。戦略の「型」を持つことで「組織内に」共通言語が生まれ、仕事がしやすくなるのではないかと強調しました。
株式会社EVeMが定義する戦略は、「ある一定の期間で達成すべき目標に対して、その達成方法の全体像が整理されたもの」です。
このように定義した戦略を組織内で共有することが、円滑に仕事をする上で欠かせない要素となるのです。
#02 【戦略の型】少ないリソースで目標達成できるフレーム
目標に向けていきなりアクションを考えると、「毎日忙しいのに成果が出ない。成果が出てもそれはたまたまで、“博打”状態に陥ってしまう。そうならないためには、“戦略”で必要なアクションを照らしてあげることで、目標達成のためにどういう方向性でアクションをするか?筋の良い“戦略”があれば少ないリソースで目標を達成できる」と強調します。
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戦略の型として「目標を達成するために、重要なアクションにフォーカスするためのフレーム」を解説します。
「目標」「分解目標」「成り行きの結果」「GAPの最大要因」「方針」「KPI」「重要アクション」の7つに分かれているフレーム。
「分解目標」では、目標に対していきなりアクションアイデアを考えようとしても目標の粒度が荒すぎて思いつかないので、目標を3つに分解します。続いて、特に対策を打つことなくいつも通り業務を行った際に導かれる「成り行きの結果」を洗い出しますが、この時にネガティブな結果を想像することで、解決すべきGAPが明らかになります。
そのようにして「分解目標」と「成り行きの結果」にGAPが生まれたら、GAPが生まれる要因のうち、最も影響度の大きいものにフォーカスして解決する「GAPの最大要因」に移ります。要因を絞ることで、次のアクションも絞ることができます。
「GAPの最大要因」が出たら、それに対する「方針」を決めていきます。方針とは、分解目標の達成に向けたアクションの“方向性”を指します。チームのアクションの方向性を決めることで、アクション数を絞る基準にしていきます。
方針が決まったら、方針を実行するためのドライバーを明らかにする「KPI」を立てます。KPIは、基本的に「結果」「行動」「納期」の3種類に分かれており、方針に最適なKPIの方向性を見定め、種類をチョイスして設定することが重要だと話します。このフレームを使って「重要なアクション」にフォーカスします。
#03 【モメンタムの型】チームの自己効力感を醸成
組織にまん延する、「この事業は成長する」と感じられる“勢いや空気”を意味するモメンタム。モメンタムによってチームの行動の質は圧倒的に変わります。
モメンタムを感じない組織は「停滞感」や「低モチベーション」によって並以下の結果となりやすいですが、モメンタムを感じる組織は「高揚感」や「高モチベーション」によってさらに高い結果が期待できます。
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モメンタムは意図して醸成することができます。
モメンタムを作る下地としてキーワードとなるのは、「目標があること」「目標に対して道筋があること・前進していること」で、目標達成へとつながる道(方針)を一歩一歩歩んでいる実感や進捗感を、チーム全体で持てることがチームの“自己効力感”に結びつきます。
会社やチームが成果を出しているかどうかは究極関係なくて、仮に成果が出ていなかったとしても、自分たちならいけるかもしれないという自己効力感を持てれば、それがモメンタムにつながります。“モメンタムが出れば成果が出る”といった順番で物事を考えてください。
差分や反省を共有することも大事ですが、モメンタムを出すには「今週進んだ重要アクション」を明文化して、きちんと共有することが大事です。
今後もマネジメントに関するノウハウや、お役立ち情報など有益な情報を発信していきます。
サービス資料も以下からダウンロード可能です。こちらもぜひご活用ください。
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