音楽家の旅行記 宇都宮編 -Part0 イントロダクション-
旅の経緯
前回の石川旅行から帰郷し2日ぐらいまではしばらく旅行はいいかなと実は思っていた。3日目には次はどこに行こうかなと思い始めてしまったのである。ちょうど青春18きっぷは発売終了してしまい遠出するには節約が難しいと思っていたところで浮かんだのが日帰り旅行だ。意外と近場というのは灯台下暗しでついつい注目をそらしがちである。そんな中2月には鎌倉に日帰り旅行したので神奈川以外でと思いついたのが栃木である。
栃木は足利には昨年行き藤の花を見てきた。まあそれは綺麗だった。一本の藤の木から空中の絨毯のように花が垂れ、空が紫色に染まる。あたりには強烈な花の香りで、この香りはフランスのリヨンで感じたもの以来だった。あしかがフラワーパークには大藤以外にもたくさんの藤やその他の花が咲き誇り、桃源郷とはこのことかと感動したのを覚えている。
また栃木は結構私好みの要素があり、そのひとつが水だ。実は日本の風土の研究の一環で東京に集まる各都道府県アンテナショップで水を買い漁りその味を調べて記録している。飲み比べてみると意外とこれが水にかなりの違いがあり、その水がその地方の調味料や食材、はたまたそれを飲んでいる人の気質にも影響があるように私は感じている。栃木の水は非常に柔らかく華奢で繊細であり、これは私好みである。また日暮里で日光の天然氷を用いたかき氷を食べたことがあるがこれが非常に品が良く控えめながらその氷の存在感がはっきりある一品であり大層気に入った。そんなこともあり、宇都宮へ10年ぶりに訪れてみることにした。栃木へは1年ぶりとなる。
下準備〜出発
前段階として池袋の金券ショップへ趣き東武鉄道の優待切符を買う。このチケットは1枚で東武線片道区間なら好きなところで上下車できるという代物で、このとき2枚買って1600円以下だった。すなわち、浅草駅から東武宇都宮駅まで1600円以下で往復できるのだ。通常価格だと片道で1800円を超える。かなり節約して旅ができる。
あとは期間内のいつに行くかだが、ちょうどしばらく体調を崩し、昔の記憶がどろどろと湧いてきている今。しんどくなっているときは程々に向き合うか休むか気分転換をするに限る。そんな思い立ったがいなや出発することにしたのだった。
次回に続く。