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コルシカワインまとめ

コルシカのブドウ畑は古くギリシア時代から存在しており、ワイン造りは細々と行われていたが、1960年代のアルジェリア独立に伴い、コルシカ島に移住した人たちがワイン造りに携わることによって量産されるようになる。しかし品質が伴っていなかったため、1980年に品質改良がなされた。
海抜300メートル以上の高台にあるぶどう畑は、夏は高温で冬は平均気温3℃。さらに海からの風の影響もありブドウ栽培に適した土地と言える。土壌は花崗岩、粘土石灰、泥灰土壌など場所によって多彩である。85%以上が赤ワインを生産している。ぶどう品種としては、ニエルキオと呼ばれる赤ワイン用のぶどう品種がコルシカのぶどう畑の30%を占めるが、これはイタリアの品種サンジョベーゼである。コルシカは1768年までジェノヴァ領だったため、イタリアのぶどう品種が持ち運ばれたと言われている。以下がコルシカの4つのAOCである。

*パトリモニオ:コルシカで初めてAOCを取得し、ニエルキオ種が植えられた地域。力強く、まろやかな赤ワイン。ヴェルマンチノ種から作る辛口の白もある。

(下はパトリモニオの帝王、ドメーヌ アントワーヌ、アレナ。アレナさんは、父親の反対を振り切ってたった3haからぶどう畑を広め、パリの三つ星にも評判のワインを造った。今は2人の息子が継ぐ。)

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*アジャクシオ:フルーティーな赤とロゼを生産。品種はコルシカにしかないスキアカレロ及びグルナッシュ。白はヴェルマンチノとユニ・ブランで、アロマが印象的なフレッシュなワインを生産。

*ヴァン・ド・コルス:産地は大規模で、コルシカワインのほとんどを生産。ニエルキオ、スキアカレロ、グルナッシュシュで50%以上を占めていなければならない。白は、ヴェルマンチノ。

*ヴァン・ド・コルス+地区名
「ヴァン・ド・コルス」の後に地区名をつけることが認められているAOCのワイン。
以下の5つ。
1、ヴァン・ド・コルス・カルヴィ:赤、ロゼ、白を生産。赤は、ニエルキオ、スキアカレロ(シャッカレロ)やグルナッシュが主流でしっかりとしたアタック。白は繊細な口当たり。

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(ヴァン・ド・コルス・カルヴィのドメーヌ Renucciのワイン)


2、ヴァン・ド・コルス・フィガリ:ニエルキオ、グルナッシュなどから、フルーティーで繊細なワインを生産。赤ワインは、ニエルキオ、グルナッシュなどから、白ワインはヴェルメンチノから造る。
3、ヴァン・ド・コルス・ポルト・ロゼワインが主流で、生産量の40%を占める。赤、白ワインも心地よい味わいである。
4、ヴァン・ド・コルス・サルテーネ:スキアカレロ、グルナッシュ、サンソーから造られる赤は香りが強くしっかりしたタイプ。ロゼは若飲みタイプ。
5、ヴァン・ド・コルス・コトー・デュ・キャップ・コルス:ヴェルマンチノから造られる白ワインが主流。

*ミュスカ・デュ・カップ・コルス:収穫を遅らせることによって糖度を高める天然甘口ワインを生産。

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(甘さ凝縮された遅詰みぶどう)


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