風の時代の働き方・組織のあり方~『全員参画経営』
本を読まなくても、ここだけは知ってほしいポイント!ここ推しポイントを紹介していきます。
本日扱うここ推し書籍は、トップクリエイターのサトー克也さんの著書『和法』です。
本を買うのはハードルが高いという人もいると思いますが、出版社としては、一冊の本の中で、少なくともここだけはどうしても世の中に広めたい、知ってほしいというポイントがあるのです。
その「ここ推しポイント」を、
自社の利益を削ってでもお伝えしようと思います(>_<)!!
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2020年の12月から始まると言われる風の時代。世の中の価値観が大きく変わっていくということですが、仕組の変化、技術の発達という外部環境により、すでに少しずつ価値観の変化は始まっているのではないでしょうか。
たとえば、大きな組織に所属することが求められる時代から、起業が盛んになり小さな規模の組織を作る時代になってきました。それと同時に、ピラミッド型の組織以外にもティール組織や自然経営などと呼ばれるような組織のあり方、経営の手法も注目されるようになってきています。
また、消費者側の心理としても、マニュアル化されて一律のサービスを求める時代から、オリジナリティがあるものを求めるようになってきているようにも思います。
スコラ・コンサルトのプロセスデザイナーである簔原麻穂さんは、『全員参画経営』というスタイルを掲げ、その時々よって必要な人がポジションを取りに行く組織のあり方を推奨して、コンサルを行っています。
この考え方は10人規模の企業から10万人を超える企業まで、様々な業種や規模の組織で活用され、成果を上げています。
簑原麻穂さんの書籍『全員参画経営』のここ推しポイントを、ここでは、ご紹介していきたいと思います。
ここ推し①・・・新しい見立て「父性性」と「母性性」
ここ推しポイントの①は、著者の簑原麻穂さんが活用しているオリジナルの見立てである「父性性」と「母性性」という、必ず誰もが持っていて、開発していくことが可能な特性の話です。
「父性性・母性性」とは、男性性・女性性ということではなく、性別に関係なく、誰にでもどらちも備わっているもので、人によって、そのバランスが違ったり、関係性・組織によってバランスも変わってくるというものです。
この見立てを使い、その組織に必要な「父性性・母性性」を開発していくプロセスで、(人の)配置の仕方が変わってきたりするのです。これは、チーム皆で、状況に合わせて、多様な面を出し合いながら、いい組織、強い組織を作っていくという取り組みに繋がっていきます。
「父性性・母性性」のバランスをもとにした、いい組織・強い組織とは、従来型のピラミッド型ではなく、フラットでよりコミュニケーションが取れる組織の形です。固定された上下関係がなく、フラットに意見が言えて、コミュニケーションがとれる組織は、ある少数(ピラミッドの上の方)の人だけが強みを活かして他の人を引っ張るということではなく、全員で循環しながら強みをいかしていく働き方でもあります。
簔原麻穂さんが所属するスコラ・コンサルトさんは、まさに、この部分をずっと探求されている会社で、風土改革をすることで、働きがいと業績向上を両立させることを目指されています。
ここ推し②・・・「オフサイトミーティング」という手法
ここ推しポイントの②は、スコラ・コンサルトさんのオリジナルな手法「オフサイトミーティング」です。
「コミュニケーションをとりましょう!」とか、組織の中で「もっと情報共有をスムーズに!」とか言っても、なかなかうまくいかないことも多いのが現状です。そんな時に活躍するのが、「オフサイトミーティング」です。
「オフサイトミーティング」は、社員やステークホルダーなどの参加者が”オフサイト”という形で、「本当は話したほうがいい重要なこと」を話すことができるようにするための会議のスタイルと手法です。
この「オフサイトミーティング」を上手に使っていくことで、組織・チームの風通しがよくなり、安心して自分の考えや思いを表現できたり、意見を言えたりできる土壌になる=風土改革にも繋がっていくのです。
「匿名なら、意見や想いを言えるけれど、顔を合わせると、なかなか言えない・・・」という管理職の方の質問に対して、簑原さんはこのように答えています。(一部抜粋)
まず、相手の状況を理解してあげることが大切ですね。
最初にオフサイトなどの場をつくる場合は、安心できる仲間とチームを組むなど、すこし配慮が必要かもしれません。我々が、最初は同じ階層のメンバーで「オフサイトミーティング」を実施するのも、言いやすさや環境をつくる場づくりの一つです。特に同じ部署で上下階層が混ざっている場合は、上司の側は「大丈夫だ」というケースは多いのですが、結果、本音は出にくいことが多くなるので、あまり設定しません。
ここ推し番外編!・・・ここだけの話
『全員参画経営』のここだけの話です。この本は著者の実話を元にしたストーリー仕立てで進んでいくのですが、そこに登場する架空の主人公:プロセスデザイナー・篠田亜子の言葉についてです。
著者の簑原さんは関西の出身で、関西弁でコンサルをする方です。
そこで、主人公の篠田亜子(著者の簔原さんをモチーフにしています)の言葉を、最後の編集の段階で、元々標準語だった原稿から関西弁へと変更しました。「著者自身の思いのこもりやすい関西弁の方が、読者の方により届くのではないか」と考えてのことです。一口に関西弁と言いましたが、著者は大阪出身の方なので、大阪の”簑原さんが使っている”方言に直して、全て再編集しました。
結果、主人公の人柄がより魅力的になり、親近感や面白さも生まれたのではないかと思っています。読者の皆様は、いかがでしたでしょうか?
実は、方言を話す地方のほうが、文化性や”自分が大事にしていること”が失われにくいという研究もあります。
今回も関西弁にすることによって、著者(主人公)のアイデンティティ(個性)も、より伝わりやすい本になったのではないかなと思います。
風の時代は、「個性を大事にする必要が出てくる」と言われているので、その流れにもちょうどマッチしている気がします。
以上、『全員参画経営』のここ推し2点とここだけの話でした。
ご興味を持っていただけましたら、是非、「全員参画経営」をお読みいただけると、嬉しいです。
◆『全員参画経営』の紹介◆
多種多様な業種20人~10万人規模の企業の業績の向上・回復を導いてきたプロセスデザイナー・簑原原麻穂さんが提唱する新理論。この手法では、V字回復のための最初一歩として経営者が、まず自分の不安の正体・本質を掴むことが重要です。そのためには、経営者自身が自己認識を行う必要があり、誰もが持ち合わせている「父性性」と「母性性」という新しい見立てを使い、バランスを整えていきます。その上で、社員の強みを引き出し、社員自らが動きだす、変化に強い組織づくりを目指します。
本書は、V字回復に必要な2つのステージの解説と、それをプロセスデザイナーと共に実践していく、実話を元にした2つの会社のストーリーが主な内容となっています。
1、「マザーシップデザイン」ステージ:経営者のマネジメント基盤づくり
ステップ1 自己認識力と自己受容力の向上
ステップ2 思考行動パターンの変容
ステップ3 めざす方向性に近づくための改革シナリオ創り
2、「フォーメーションデザイン」ステージ:経営マネジメントの実践
ステップ1 ありたい姿と現状の認識合わせ
ステップ2 フォーメーションづくり
ステップ3 実践と振り返りの定着化
第1話 生き残りをかけた工場再生 ~社員自身の力で自分たちの市場価値を上げる~
突然の社長就任と厳しい現実を受け止める
改革のカギとなる想いの源泉を見つける
悩みの共有で自分の居場所をつくる
まずは工程の見える化が先
未知の挑戦は見本を五感で学ぶ
ガス抜き後のフラット対戦で事実が見える
基礎技術力を磨き市場価値を上げる
体を使って心の迷いを払拭する
新旧生産方式対決で決着をつける
判断基準と優先順位を明確にした繁忙期連携作戦
技術力を身につけたい!職人魂に火がついた
価値を高める最後の打ち手"改善"
改革を推し進めたその先に未来が見えた
世界一の工場を目指せ!
第2話 赤字事業のV字回復 ~改革のテコを見つける!3代目社長の孤独と悩み〜
業界の成長と社員の疲弊感
会社の未来をつくるキーマン発掘
これまでと違う新支店長
え?会議全部やめちゃうの?
厳しい顧客の声から見えた2つの課題
悔しさから生まれた改革の原動力
女性参謀の登場
パンドラの箱に入っていたモノ
仕事の価値を高める“7つの改革プロジェクト”
やっと見つかった改革のテコ
黒字を実現させた3つのサイクル
―簑原麻穂( Minohara Asaho )
スコラ・コンサルト プロセスデザイナー
泣く子も笑わせる関西出身。 JASに就職し、チーム連携と新商品開発による
顧客価値アップを実現したのち、JALとの統合プロジェクトにも参画。 リーダー育成や教育のしくみづくり、組織・システム統合、 新サービスの開発など組織の機能と マインド両面の変革を 要求される多数のプロジェクトに貢献。 その後、事業の成長と 人材と組織の関係をつきつめるべくスコラ・コンサルトの門をたたく。 積み重ねてきた幅広い経験から、中堅企業の尖ったサービスに専心する喜びと、 大企業で大きなシステムを動かす醍醐味、 どちらにも鼻が利く。加えて、経営者である父や引き継いだ兄との対話で磨いた感性が武器でリアリストでありそこはかとなくストイック。次世代経営者の良きアドバイザー兼温かみある伴走者として、中堅企業の尖ったサービスに専心する喜びと、大企業で大きなシステムを動かす醍醐味、 どちらにも鼻が利く。 加えて、経営者である父や引き継いだ兄との対話で 磨いてきた感性が武器で、 リアリストでありそこはかとなくストイック。 次世代経営者の良きアドバイザー兼温かみある伴走者として、粘り強い支援が特徴。経営者やリーダーの悩みや葛藤を受けとめながら、真の強みをとことん引き出す。その上で、事業をもう一段階成長させるために必要な要素を独自のバランス理論で見立てて、 人の持ち味・能力・経験の組み合わせで構築する。「組織の変革を成功させるために は、男女を問わず、人の強みを活かし合える環境が大切」。そこにある素材で最高の料理をつくる。
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