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私にもある事実とは違う、不都合な真実
ある席で、「健康そうですね」と言われることがある。
「そうです、そうなんです」と軽く返事をしておく。
しかし、それは事実ではない。
私は、立派な病歴ありの身体なんだ。
一つ目は、高血圧症。
二つ目は、帯状疱疹の後遺症。
三つ目は、事実と異なることを主張する虚偽公言症。
一つ目は、私は若い頃から高血圧症であった。減量とか食事療法、または運動療法等で15キロ減量できた。でも、高血圧改善の兆候する見られなかった。でも、抵抗を続けて薬の世話にはならなくて来た。二つ目の帯状疱疹が発症してからは、診療所で治療の際高血圧症がバレた。それから、降圧剤の世話になっている。
二つ目の帯状疱疹は、実に厄介な病気だ。
突然発症し、点滴の後薬で約一年半を過ごして、現在に至っている。
この、帯状疱疹。徐々に軽くなってはいるようだが、目に見えて改善はしていない。一日、1ミリメートルくらいの早さかな。100日で10センチメートルか。何の単位か分からない。感覚の問題として捉えただけ。
300日で、30センチメートル。この計算で行くと約1年で30センチとは膝ぐらいまでの高さか?
根拠のない推論を試みたが、頭までの高さまで行くには、5年ぐらいかかるのだ。少なく見積もっても半分で2年半ということになる。
だから、かなり長期戦になるのは間違いないと、半ばあきらめている。
さて、そもそもこれが原因で私の人生いや余生は、すべて計画が壊れてしまった。正直なことを話そう。毎日が腰の痛みで始まる。時々画鋲がささるような痛さに襲われる。無理に腰に力を入れると半日ぐらいは、だるくてしょうがない。時には、胸のあたりに痛みがはしることがある。横腹が痛い時もある。これらは、不規則に予告なしにおきるので、今日はどうだろうかと身体に伺いを立てながら生活をしている。
だから、元気ではないのだ。ただ、隠しているだけなのだ。
そうしないと、他人から同情を買われると、さらに精神的に苦痛になることが分かる。
なるべく、健康そうにしていたい方が、生活はしやすい。
普通に身体が動かせるというのは、本当にありがたいことだと思う。また、その方が僅かな生活の喜びを、自分の力で手に入れることができるから。
結論を進めると、私は健康ではないのだ。
毎日、死を予感しながら生活している。
予告なしに来るのは、死の一つのパターンだと思っている。入浴中に倒れることだって、想像しながら生活をしている。
不謹慎なことだって思っても、その後は自分でどうしようもない世界に入るわけだ。そうして、誰にも語っていないことを前提に生活していることは、事実なのだ。
でも、「まあ、健康ですよ」と事実でないことを肯定してしまう。
これって、虚偽であることを知っていて公言しているのである。
誰しもある、この不都合さ。
これが、本来の私を苦しめている消すことのできないものの一つかも知れない。