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【社員のホンネ】入社5年目。新米プロジェクトマネージャーの心得

プロジェクトを円滑に進める上で欠かせないプロジェクトマネージャー(以下、PM)。入社以来、教育ビジネス部門で営業、システムエンジニア(以下、SE)を経験し、現在はPMとして活躍するH.Kさんに、その役割や具体的な仕事内容を伺いました。



営業職からSE、そしてPMへ

―現在までのお仕事を教えてください。

新卒採用で入社し、今年で5年目になります。入社以来、教育ビジネスの部門に所属しています。入社時は営業職でキャリアをスタートさせましたが、入社3年目にSEに転身し、現在はプロジェクトマネージャー(以下、PM)を担当しています。

― PMの具体的な仕事内容を教えてください。

PMの仕事は、主に品質とコストと納期の管理です。建設現場の現場監督、工場の生産管理と同じような仕事と言えば、わかりやすいでしょうか。具体的な仕事内容は、お客様への提案から受注までと、プロジェクト始動から納品までに大別することができます。

受注までの初期段階では、営業と一緒にお客様への提案するところから関わります。プロジェクトに必要な人員や工数、納期を割り出し、作業計画を立てます。その結果をもとに営業が金額を見積もります。

プロジェクトが始動した後は、進捗管理と課題管理、各方面との調整が主な仕事となり、プロジェクトが予定どおり進行するように管理する役目を担います。具体的には、進捗管理表を作成し、どこかで作業の抜け漏れがないか、問題が発生していないか、情報共有はできているかなどを確認します。各セクションの進行をチェックできたら、以降の対応の方針を決めて合意を得ます。



予算と準備期間が特殊な教育ビジネスの仕事

― 教育ビジネスならではの仕事の進め方とは?

私は主に教育現場でのICTインフラの導入を担当していますので、案件は基本的に入札で決まります。工数を割り出す時期は、実際に導入する2年前からはじめ、1年前には予算を確保します。大きな案件ですと2年以上の準備期間が必要になりますね。そういったところが、公共系と民間との大きな違いになります。

直近ですと、学校の校務用パソコンの入れ替えと設定作業を実施し、お客様に納品する案件を担当しました。どのパソコンを入れるか、どのソフトウェアを入れるかなど、営業と一緒に意見を出して提案します。今回の場合は、保守契約をいただいている自治体でお客様のインフラ環境もある程度把握していたため、入れ替え時期に合わせて前もって提案の準備を進めていましたが、お客さまからヒアリングをして提案するケースも当然あります。



想定される作業や起こりそうなリスクを事前に確認する

また、事前に決められた予算の中で動いていますので、後々工数が増えた時に金額を動かせないのも、教育ビジネスの特徴です。そのため、工数の割り出しやリスク対策を充分に加味して作業計画を立てなければなりません。ESSとしてやったことがある案件であれば問題ありませんが、これまでやったことがない案件の場合は、工数の想定が難しくなります。その場合は、メーカーに問い合わせて検証環境を貸していただいたり、他地域での導入事例を教えていただいたりして、想定される作業や起こりそうなことを事前に確認していきます。



リスク対策不足が招いた失敗

以前、先生方がパソコン画面を無線投影するためのワイヤレスディスプレイアダプターという機器を導入した際、導入後に不具合が発覚し、ご迷惑をおかけしてしまったことがあります。最終的には機器の仕様に原因があることを突き止め、メーカー側に要望を出して仕様を変更してもらい不具合を解消することができましたが、導入前の検証が充分ではなかったことが原因でした。機器検証の重要さを改めて痛感した出来事でしたね。

― 教育現場で仕事をする上での注意点とは?

学校に出向いて作業を行いますので、学校にご迷惑にならないように安全第一で作業することを心掛けています。トラックで機器を搬入する際には、事前に経路や搬入場所、搬入時間を確認し、安全確保に努めます。また、学校の先生方は16時半が定時になりますので、それまでに作業を終えるようにしています。そのためにも、業者の窓口を担当する教頭先生や、情報担当の先生のスケジュールを事前に確認しておくことも大事です。また、児童や生徒の学び場で作業を行いますので、言葉使いや振る舞いにも気を付けるようにしています。



相手の立場に立って、独りよがりにならない。

― PMの仕事の醍醐味とは?

PMを担当する上で一番大変なのが、プロジェクトを進行する際の課題管理です。万全の準備をしても予期せぬトラブルに見舞われることがあり、プロジェクトが最初の計画表通りに進むことはまずないと言ってもいいと思います。新たな課題が見つかった場合は、その都度適切な解決策を講じ、工数や人員、スケジュールの見直しをします。コストや納期の関係で単純に工数を増やすことはできませんので、状況によってはお客様やメーカーと交渉し、営業、SEと話し合いながら落としどころを探って調整します。相手の立場が違えばものの見方も変わりますので、それぞれが納得できるまで話し合いを重ね、課題を一つひとつクリアし、無事案件が収まった時はやりがいを感じますね。

― PMとして心がけていることは?

私は常に「独りよがりにならない」ことを心掛けています。自身の経験則のみで判断せず、相手に自分の考えをぶつけてから、意見を聞くようにしています。そうすることで、先輩方から「無駄な作業が多いから見直した方がいい」とか、「この設定入れておかないと後々問題がある」とか、自分が見落としていたところを指摘してもらえます。またお客様からも、「こうなっていたら先生が使いやすい」とか、「こんな機能があると嬉しい」とか、意見をいただくことがあります。また、工程ごとに成果物の品質を検証するレビューでは、現場から意見が上がってこない場合でも、あえてこちらから聞くようにしています。色んな方の意見をきいて最適解を導くようにしています。



常に成長するために新しいことへチャレンジする

― 教育ビジネスのSEとして入社前に身につけておくべき知識はありますか?

私自身は大学で情報学部を専攻し、ソフトウェア開発を学んでいましたので、インフラ系は全くの未経験でした。入社して2年は営業職でしたので、SEに転向した後も、右も左もわからない状態から始めました。先輩の後ろを金魚のフンのように付いて回り、「これどうやってやればいいですか?」と質問ばかりしていましたね。

そもそも、教育のシステムは特殊ですので、入社前には誰も触ったことがない分野だと思います。ESSでは入社してから十分な研修期間がありますし、研修終了後は、機能や構築方法を一つずつ先輩から教えてもらい、仕事をしながら覚えます。設定手順書もありますし、扱い慣れていないものはメーカーの方を呼んで勉強会を開催して設定のマニュアルをいただくこともあります。会社から研修案内が回ってきますので、どれを学びたいか自分で決めて受講することもできます。そういった意味では働きはじめてからでも十分勉強できると思います。

― これからの教育ビジネスはどうなる?

教育現場に限らず、今後のICTインフラはクラウドが主流になっていきます。来期には、サーバの更新に合わせてクラウドを導入する案件がありますので私自身も研修を受けて勉強しながら急ピッチで準備を進めているところです。
とはいえ、現時点では社内にクラウドを構築できる人員が多くないので、そこを増やしていくことが今後の課題になっています。これまでICTインフラのエンジニアといえば、現場での作業が多いため、女性のスタッフは少数派でした。物理のサーバがクラウドに移行することで、現場作業が減りますので、女性の活躍の場が増えるのではないかと期待しています。

― 今後やってみたいことは?

現在、入社5年目でPMを担当させていただくなど、常に成長する機会を与えてもらっていると感じています。これからも何かに凝り固まることなく、さまざまなことにチャレンジしていきたいです。
目下の希望としては、これまで教育ビジネスの営業、SEと経験してきましたので、次はICT支援員として教育現場で活用のサポートをしてみたいと思っています。ギガスクール構想でICT教育の環境が整い、今後は大学入試だけでなく、ゆくゆくは学力調査もCBT(Computer Based Testing)試験に切り替わっていくと言われています。ところが実際には、導入されたICT環境が充分に活用されていない現場も目にしています。現在も活用方法をお伝えすることはありますが、直接先生方と密に関わりながらお手伝いができたらと思っています。

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