京大卒で大手入社したらコンビニ店員になった話 #3
(前回)
配属ガチャから抜け出すために
長時間の立ち仕事や多忙な勤務スケジュールなど、コンビニ店員という職業は楽なものではない。にも関わらず、都内某所のファミリーマートで見かけたA氏は、今日も穏やかな表情で働いていた。
「あと数年したら希望の部署に配属されるかもしれない。それだけを希望に働いてます。ただ、自分の市場価値が下がっているのも実感しています。だからこそ保険で資格の勉強をしています」とA氏は笑顔で話す。
彼が取り組んでいる資格は、TOEICや簿記、秘書検定など。一貫性はないものの、それぞれの試験に合格するために、日々勉強に励んでいる。コンビニ店員という職業に対する不安や不満が、彼の心に渦巻いているようだ。
「コンビニ店員にはあまり活かせませんけどね」
とA氏は苦笑いしながら言った。コンビニ店員としての立場から脱するために、彼は継続的な努力を続けている。
A氏の努力がいつ報われることになるかは、まだ誰も知らない。(宮)