ドラマ「「友情 ~平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』~」みんなに見てほしい素晴らしいドラマ
ドラマ 「友情」を見た。個人的な思い入れもあって、ドラマでこんなに感動して泣きながら見たのは、10年ぶりぐらいではないだろうかというぐらい良かった。見ていない人にぜひお薦めしたいので少しご紹介。
ドラマのあらすじはこちら
実は、ラグビーは私の青春と切りはなせないスポーツで高校時代の思い出がたくさんある、毎年ではないけれど、お正月の花園ラグビー場に足を運んだこともある。神戸製鋼も身近な存在で、日本に帰国した時は、あのグラウンドの近辺をよく車で通るし、平尾さんが最初に診断を受けた病院も行ったことも何度もある、ドラマのロケーションもよく知っている。私の家系は幸いガン家系ではないけど、家族がまだ若いのにガンで逝ってしまった人が身近にいるので、ガンの告知から最期を看取るまでの話を何度も聴いていたから、感情移入して観てしまったので人一倍感動したのかもしれない。だけど、そんな個人的事情を抜きにしても、映画館の大スクリーンで見たいくらい、素晴らしいドラマだったと感じた。
本木雅弘 さんが、平尾誠二 さんとあまりにもそっくりで、ドラマが進行するうちに乗り移ったような渾身の演技で本当に平尾さんを見ているような気持ちになる程演技が素晴らしかった。お二人の友情を描いたドラマという以外には、ほとんど事前情報もなく観たドラマだったのだけど、病気が深刻化していく様子を演じる本木雅弘さんは、画面の中で、どんどん痩せ細っていって、これはものすごい減量をされたのだろうということは明らかだった。ドラマの役の設定が、体格が良い、痩せている、などの理由で役に合わせて体重を調整されるのはよく聞くけれど、ドラマの進行に合わせて体重も合わせていくというのはかなり難しいのではないかと思い驚いて後で調べたら、短期間でジュースクレンズで痩せられたということで、本木さんの役者魂に感銘を受けた。
山中教授を演じた滝藤賢一さん、山中教授奥様役の吉瀬美智子さんも、平尾さんの奥様役の石田ゆり子さんも、平尾さんの母親役の倍賞美津子さんも、名役者揃い、ハマり役で、全体を通して、違和感を感じるシーンやセリフがなく、自己没入できるドラマだった。演じる仕事ってすごいな。
キーとなる平尾夫妻、山中夫妻の他にも脇を固める俳優陣がすごかった。たとえば、濱田岳さん、ラグビー経験者だったことをこのドラマで知ったけど、ラグビーに愛のある方が集まってつくったドラマなんだなと思った。
それから、私はドラマあまり見ないので、自分の趣味という訳ではないんだけど、昔のドラマ&アニメマニアな人が身近にいて、とんでもなく古いもの、たとえば30ー50年前の映像とか、をよく観ているので私も否応なく見る機会がときどきあるんだけど、実は割と最近スクールウォーズも観ていた 笑
だから山下真司さんが登場した時はあそこだけ笑ってしまった 笑
スクールウォーズを見たことのある人は、絶対ツボったのではないかと思う。
また、松任谷由実さんの、「NO SIDE」が、THE ラグビー、な曲なので、ドラマにぴったりと寄り添っていて素晴らしかった。この曲を平尾さんの人生に重ねて聴いた時、今までも何度も聴いたことのあるこの曲が、また全く異なる意味を持って聴こえて、胸に響いた。音楽と映像ってやっぱり切り離せない、そのドラマのストーリーにぴったりの良質の音楽が映像に寄り添った時、映像の魅力と感動が何倍にもなるものなんだなって、当たり前のことを改めて実感した。
平尾さんが亡くなられた時、自分は日本の情報が入りにくい地域に住んでて当時のことはあまり詳しく分かっていなかったので、山中伸弥 教授がこんなにサポートされていたこと、ドラマを通して知ることができて良かった。
その後の日本ラグビーの盛り上がりも、国内にいないとどうしても熱量みたいなものはなかなか身近には感じられなくて、「すごい盛り上がってるな」という外側からの印象だったのだけど、平尾さんがその中で果たした役割もドラマの中で描かれていて、胸が熱くなった。
父がラグビー好きで、私が小さい頃、平尾誠治さん達の昔の伏見工時代の山口監督とのドキュメンタリーまで遡って見せてくれたことがあって、古い映像の中で、高校生の平尾さんはすでに強烈なスターの輝きを放っていたのを思い出した。改めて、平尾さんの、映画よりも濃い人生を振り返る良い機会だった。
これは字幕をつけて、ネットフリックスやアマプラで世界配信してほしい完成度のドラマだった。今はTverで見れるみたいなので、ぜひこちらから