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ピレネー山中のミニ国家アンドラでハイキング2:公共交通機関で登るアンドラ最高峰コマペドローサ(Pic de Coma Pedrosa)2943M

前日にバルセロナからアンドラ入りして、一つ近場のハイキングコースを歩いてみたが、今回のアンドラ訪問の主目的はアンドラ国内最高峰のコマペドローサという山にいくことである。天気も幸いよさそうだったので、予定通り出発した2024年8月末の記録。


1,登山口Arinsalまで


コマペドローサの登山口は一般に、Arinsalという集落であるとのこと。この集落にも宿泊施設はあるが、アンドララベリャや他の街からの場合、L5のバスでいける。とりあえず終点の駐車場のところまで乗っていけばOK。バス停から登山口までは特に商店もないので(手前の街で降りればある)買い出しは済ませておくべしである。

2、Refugi del Comapedrosa | 2260mまで


バス停からトンネルの歩道を歩いて戻り、建物の脇の舗装路からトレイルに入る。GR11というトレイルを基本的に進んでいくことになる。バス停から5-10分ほど歩いてトレイル入り口である。

いい天気
GR11でいけばオッケー

この日は11時ごろスタート。はじめは比較的平らなトレイルになっていて、トレランをする場合は走ることも十分できる。11:15前にあった標識では、Refugi de Comapedrosaまで2Hと書かれている。川の横を通ったりしながら登っていき、11:50くらいに少し開けたところにでて小さな小川にかかるかわいい橋を越えて登ると、12時くらいに小屋との分岐のところにでた。

小屋に寄ってから進むこともできるが、特に疲れていなかったこともあり、小屋には立ち寄らずにそのまま進んだ。

3,コマペドローサ(Pic de Coma Pedrosa)2943Mへ


しばらく目のまえの山に包まれた比較的平らなトレイルを歩いていき、その後折り返すかたちで高度を少しづつあげていく。

また、そのあたりから足元もやや岩っぽくなってくる。登ると湖が見えたりして気持ちがいい。進む先にはComa Pedorsaのピークも見えてくる。湖をまわっていくこともできるし、湖を眼下に登って稜線からいくこともできるが、行きは上に登って稜線からいくことにした。

青色ルートでなくオレンジ線のルートから登った

稜線上は高度感はあるが、しっかり足場の幅もあるので特に危険個所はないが、風はやや冷たかったのでこのあたりから薄手の雨具を羽織る。12:45に最初の湖が見えてから、上に登っていき13:45ごろに山頂着。

山頂はアンドラ国旗が風にたなびきカッコよい。気持ちのいい風景だったので、写真を撮りつつの休憩が長くなったしサンドイッチを食べたりもしていたが、標高もそういえば3000m弱あるのでやや疲れやすいのかもしれない。山頂には2,3組ほど登山客がいたが、各国最高峰でよくあるような人でごったがえしているような感じではなかった。

イギリス最高峰のベンネビスを登った際の記事はこちら。

マレーシア最高峰のキナバル山を登った際の記事はこちら。


4、三国国境稜線へ


山頂からの景色を堪能した後、下山開始……といいたいところだが、ピストンで戻るのでなくスペイン。アンドラ・フランスの三国国境の稜線を経由してぐるっと戻ることに。下山路はやや急で特にスペイン側に入って湖の方に下っていくのだが、このくだりがなかなか。

特に序盤がざれているので慎重にいかないと下から登ってくる人に石を落としてしまいそうで気を遣う。進むにつれ、石も大きくなり、傾斜もゆるくなっていくので問題なかったが、ここを登っていくのはなかなかつかれそうである。

湖では数人がピクニック的に休憩していて話しかけられる。

アンドラ人だといっていたので、「いいところだね」と話したら、「自然だけはね、」とのことだった。景色はかなりよい。13:50あたりに山頂から下山開始して、14:40くらいに湖畔についた。ここから湖を眼下に登っていくが、はじめはやや急。このあたり以降はやや時間も遅かったのもあるかもしれないが、人に会うこともなかった。

そこからやや岩岩したゾーン含め登っていき、Arinsalへの下山道と三国国境稜線への分岐点につく。

分岐点からはひたすらに登っていくが、ここはやや険しい。15:50あたりで稜線に着くと、反対側の景色も含めて見え展望がよい。

高度感はあるが、足元はしっかりしているので怖さはない、とにかく360度の開けた絶景ですごく気持ちいい。ここがスペイン・アンドラ・フランスの三か国の国境が交わる点であり、身体を向ける方向によって見えている土地の所属する国が異なるというのは興味深い。日本ではもちろん他の国との国境上に立つということは基本的にできないので、よく三県境などはあるが、それが国となるのだから大陸の国のスケールである。

一方で、アンドラという金沢市ほどの大きさらしい(Wikipediaより)面積が、ひとつの主権国家となっているのもこれまた不思議だなぁ、と思いながらしばらく絶景を堪能。

5、下山


そろそろ時間も夕方に迫ってきたので(とはいってもこの時期の日暮れは20時半とか)、16:20ごろ、名残惜しいがいそいそと下山を開始する。眼下の湖のほうに下っていき、湖の周囲を歩く。

水は澄んできれいである。そのあと、また開けたところから広い谷に向かって下り道を進む、広ーい谷とかなたまで山の稜線が見えて夕暮れに向かう空の中、ピレネー山脈の真ん中でこの景色を独り占めしているのか、と不思議な気持ちになる。

道も明瞭で危ないところもない。17:15過ぎ、下山開始から1時間弱で広い谷の中に入ると、おりきったところで小さな小屋があった。REFUGI JOAN CANUT (2060M)との標識がついていた。中を覗いてみると6台ほどのベッドのフレームがあり、既に数名の登山者が今宵の寝床として陣取っているようだった。

受付だったりがあるわけでもないので、おそらく日本の避難小屋のようなイメージで利用しているのだろう、さっと見た感じはきれいで清潔感があった。馬で登ってくる人たちともすれ違う。ここからは比較的平らなトレイルの中を登山道まで戻っていくので、少し走りながら戻った。10分ほど下るとまた一つ小さな小屋があり、周りに馬が放たれている。ちらっと中を覗こうとしたが、ここはドアが閉まっていたので避難小屋というよりは放牧の拠点だったりするのかもしれない。

その後さらに20分ほど進んで、17:50前にバス停に戻ってきて少しバスを待って街に戻った。

バスでまだ行ってなかったEMCAMPの方に行って夕食をとれるところを探してみることにして、シーザーサラダとアンドラの地ビールを飲んだ。

20時過ぎだがまだ明るい。その後、更にアンドララベリャの街中に戻り、適当なバル・カフェみたいなところに入って、タパスとビールのセットを頼んだがこちらもお得でおいしかった。物価的にはイギリスより幾分安い気がするし、ご飯もスペインとフランスの間だからそりゃおいしいだろう、という感じである。

6、ざっくり時系列など


10:20くらい ホテルの近くからバス乗車
10:50くらい L5バス終点(アリンサル)着
11:00くらい 登山開始
11:20 くらい 小さな橋を渡る
12:00くらい 小屋との分岐
13:40くらい コマペドローサ山頂(2943m)
(10minほど滞在)
14:40くらい 湖(Estanys de Baiau) 着
15:25くらい 三国国境稜線への分岐
15:50くらい 国境稜線
(25minくらい滞在)
17:15くらい REFUGI JOAN CANUT (2060M)
17:45くらい バス停に戻る

(装備)
Paagoworks 20L ザック
靴サロモントレランシューズ
(上)半そでモンベルシャツ+サロモン薄手雨具
(下)ロングタイツ+短パン
水2リットルほど、サンドイッチ、ハム、行動食、雨具、防寒着、ライト、モバイルバッテリーなど背負い+トレッキングポール。

(STRAVA)
Distance: 18.17Km
Elevation Gain" 1755m




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