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磁石で操る”やわらか”ロボット

ここ数年、3Dプリンターがかなり一般的なものになっており、建物を作ったり、臓器を作ったりと進化を遂げています。

今回はそんな3D プリンターを使ってアクチュエーターと呼ばれるいわばロボットの筋肉部分を作ったという研究を紹介します。

しかも、ただのロボットではなくタコの触手や蝶の羽ばたき、植物の開花などを模倣し、生物が持つしなやかな動きを実現するというのも注目ポイントです。


磁石×3D プリンティング=ロボット

3D プリンターで作るのはアクチュエーター、つまりロボットの部品(駆動部)でしかありません。実際に動きを制御するために磁石を使います。

磁石はとても身近なところにあり、たいして凄みも驚きも感じないと思います。しかし、直接触れずに特定の物質に影響(力)を与えることができるという点では現代物理においても重要視されています。

とはいえ、磁石が影響を与えることができるのは、磁石に反応する物質だけです。特定の金属を引き付けることはできても、プラスチックや樹脂といった柔らかいものを引き付けることはできませんよね。

そこで、この研究では3D プリンターの樹脂を磁石で操るため、原料に鉄の微粒子を混ぜ込みます。鉄の微粒子が混ざった樹脂は磁石によって曲がったり、動いたりすることができるようになるんです!

下の図のように鉄を混ぜ込んだ樹脂で3Dプリンティングしていきます。

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参考文献より引用


しなやかな生体模倣ロボット

研究グループは、新たに開発した磁石によって操ることができる柔らかい樹脂を使って、生物の構造を真似てロボットを作ります。

タコの触手を模倣したロボットアームや蝶の羽を模倣した形状、そして花びらを作りました。

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参考文献より引用

磁石を動かすことで直接触れずにアームを握ったり開いた入りすることができるようになりました。握る強さやアームの動かしやすさは磁石のパワー(磁力)を変化させたり、アームの樹脂の厚みを変えたりすることで制御できるようです。

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参考文献より引用

また、蝶の羽は磁力を与えることによってしなります。全然、羽ばたいてないじゃないか!と思いますが、磁力のオン/オフを周期的に切り替えることでしなったり、元に戻ったりを繰り返すことで、まるで蝶が羽ばたくように動きます。

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参考文献より引用

さすがに蝶が飛ぶところまではいかないようですが、このような動きができることを実証したこと自体が意味のある研究に感じます。簡単なように見えてパタパタはばたくものを3D プリンターで作ってと頼まれても、難しいですからね。

3D プリンターで作った花びらは、磁力を与えることによって本物さながら開花します。磁力を強めるほど花は広がり、ついにぺちゃんこにつぶれてしまいます。磁力をオフにすると花は再び閉じるようです。

最後に

今回は、磁力を使って動きを操るアクチュエーターを3D プリンターで作成するという研究を紹介しました。

おそらく磁力制御の点が最も難しいところになると思いますが、この仕組みさえしっかりと用意できれば、あとは3D プリンターで作れてしまうというのは面白い点です。


参考文献

3D Printing Magnetic Actuators for Biomimetic Applications

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