【スパイスの科学】カクテルには絶対に欠かせない!ジンの香りを生み出すジュニパーとは
みなさんはジンというお酒を知っていますか?
ジントニックとかジンウォッカなど居酒屋メニューを見たことがある方も多いでしょう。最近では翠というブランドが有名になっていますね。
ちょっと癖のあるけれど、逆にそれが病みつきになるのがジンの良いところです。ウイスキーとは異なる特徴的な香りと、爽やかな風味があり、ソーダにしてもカクテルにしてもおいしいお酒です。
今回はそんなジンに欠かせないジュニパーというスパイスを紹介したいと思います。
ジンとジュニパーの関係
一度嗅いだら忘れられないあのジンの癖のある香り、ジュニパーベリーから抽出されています。体験したことない方からすると、どんな香りなんだろう?と思われるでしょう。
もし松やにの香りを知っていれば、それを想像していただけると良いと思います。正直あんまりいい匂いとも思えなさそうですが、これが慣れると癖になるんですね。
私もはじめわけもわからずロックでジンを飲んだとき、失敗したと思いましたが、カクテル作りには重宝する香りです。この爽やかさが何ともたなまらないですね。
さて、話を戻して樹木のジュニパーについてですが、これは日本語でセイヨウネズと呼ばれ、それほど背の高い木ではないようです。ジュニパーとはヨーロッパの温暖な地域で育つ植物です。
このジュニパーから採れる球果と呼ばれる果実がジュニパーベリーです。このジュニパーベリーは生でも入手できるようですが、半乾燥させた状態で販売されているそうです。そして香り成分が揮発しやすいため、密閉容器に入れて6か月程度で使い切るのが推奨されています。
ジュニパーの成分
ジュニパーはジンには欠かせないスパイスですが、料理にも使われるようで、肉や魚、柑橘類なんかにも合うと言われています。そんなジュニパーの主成分にはピネン、リモネン、グラニオールなどが挙げられます。
中でもピネンはジュニパーらしさを表す松の香りの主成分で、そのピネンという名称も松(パイン:pine)に由来するらしいです。
ピネンの化学的な構造を見てみると、よく似ているけど少しだけ構造の異なるαピネンとβピネンがあります。(この違いを鏡像異性体といいます)ジュニパーに含まれるのはαピネンの方ですが、逆にローズマリーやパセリ、バジルなどにはβピネンが含まれています。ちょっとした豆知識?になりますかね。
そして、柑橘系に含まれるリモネンやショウガにも含まれるフローラルなゲラニオールがジュニパーの香りをより豊富なものにしてくれます。
スパイスの世界では近い香りのあるものを一緒に使うと相性が良いと言われています。これは料理だけでなく、お酒も同じなのでは? とカクテル好きの私は思います。
ジュニパーベリーから作られるジンに対して、柑橘系のレモンとショウガから作られるジンジャーエールを合わせたカクテルがジンバックです。バーではもちろんのこと居酒屋などでも見かけるジンバックはスパイスの化学成分を完璧に組み合わせたカクテルといってもいいのかもしれませんね。
最後に
今回はジン作りには欠かせないジュニパーについて紹介しました。
最後に、ジュニパーベリーをはじめ多くのハーブを使ったお酒について面白い投稿をしている方を紹介しましょう。
調べてみるととても有名なバーらしく、いろいろと珍しいお酒を楽しめるようです。一度この方のバーに行ってみたいものですね。