光の散乱
初回は”光の散乱”について紹介したいと思います。
これを専門にやっていると、いかに散乱という現象が奥深いものなのか考えさせられます。
さらに思い返せば”光の散乱”って、授業でもあんまり本格的に習わないんですよね
そんな簡単そうで難しい概念ですが、想像以上にありふれたものでもあります。
そもそも光とは?
人は何かを見るときに必ず光を見ています。目で見るということが光を知覚してることになります。
しかし光とは何かといわれると理系人間でもないとすぐには答えられないのでしょう。
光は電磁波
光とは電磁波という波の一種です。とはいえ、光は光子と呼ばれる粒子であるとも言われています。
これは難しすぎるので置いておきましょう。今はどちらも正解とされています。すごい科学者が研究しているようなお話です。
またレントゲンに使われるX線も目には見えない光(電磁波)の一種です。X線は医療や遺物検知、材料開発など様々な用途に使われています。
光の散乱とは?
光には反射、吸収、散乱といった様々な現象が起きます。ここでは散乱について取り扱います。
光は物に当たるととあちこちに散ります。ビリヤードで球がぶつかって様々な方向に飛び散る様子に比喩されることもあります。
”光の散乱”というとあまり馴染みがないと感じますが、実は私たちは散乱した光をほぼ毎日見ています。
例えば、青い空に白い雲、真っ赤な夕焼けも光散乱の結果です。
また牛乳が白く見えるのも、球形になったタンパク質が光を散乱するためです。
光の散乱を知ると何がわかるのか?
散乱した光は物質の情報をもちます。
この散乱光のもつ情報を正しく解析することで、私たちは物質の形や性質、ふるまいなどを知ることができます。
この現象を正確に取り扱うことができれば、医療や材料開発、見えないものを見えるようにする(可視化)が可能になります。