【流体力学的径】難しい専門用語簡単に説明してみる
専門用語は難しい印象を受けます。
雰囲気知りたいだけなのに、教科書を読むと定義や難しい表現が並んでいて、つまりどういうことなの?とわからなくなってしまうこともよくありますよね
今回はそんな専門用語を図も式を使わずにざっくりと雰囲気を伝える試みです。
流体力学的径とは
教科書とかを見ると式がいろいろ書いてあって、~~な式で表される「液中を運動する粒子の大きさを流体力学的に評価した値」といった説明をされます。
いや~わかりにくいですね。加えて専門用語を連打されると、学生はすぐに逃げたくなります。
もう少しかみ砕いで説明してみたいと思います。
そもそも物の大きさをはいったい何でしょうか?つかめるサイズでしょうか?ウニみたいなトゲトゲのある場合はトゲまで含めるんでしょうか?
何事にも評価する方法と何に着目するかが重要になります。
目に見えないような粒子や小さくて形が定まってないふにゃふにゃの物質のサイズを決めるのは難しそうですね。
そこで、登場するのが流体力学的径(半径・直径)です。この流体力学的という言葉がつくせいでとっつきにくくなってますが、イメージするのは簡単です。
液体中の小さな粒子はトゲトゲだろうとふにゃふにゃだろうと形や素材に関わらず、ゆらゆらと動いています。これをブラウン運動といいます(詳細はおまけに)。
この液中の粒子の動きは粒子のサイズによって変わります。
わかりやすいように丸い球体を考えてみましょう。
顕微鏡でも見ることができないぐらい小さな粒子と目でギリギリ見えるか見えないかぐらいの粒子では、小さな粒子の方が圧倒的に早く動きます。
逆に、粒子の動くスピードを測定すれば、そのサイズがだいたいわかることになりますね。
この粒子の動くスピードは粒子の形よってもちょっとずつ変わりますが、めんどくさいので1つの指標で表してやりましょう。それが、流体力学的径です。
粒子のスピードは光学測定装置を使えば可能です。大学や企業の研究室に置いてあります。
ちょっとお高い測定装置で粒子の動きのスピードを測って、それを教科書に書いてある式を用いてサイズに換算したものを流体力学的径と呼んでいるわけです。
(この式についてはアインシュタイン・ストークスの式で検索!)
つまり、流体力学的径とは「粒子の動きのスピードから推定される粒子のサイズ」ということになるわけですね。
最後に
いつものように身近な物理を簡単に紹介するというのも良いのですが、たまには新しいことに挑戦してみたいな思った次第です。
お試しの初回から【流体力学的径】という需要あるのか?というテーマですが、専門用語なんてそんなものです。
雑学にもならないような専門用語ですが、科学的にはとっても大事な存在です。もしかしたら今後もやるかもしれないので、その時は温かく見守ってもらえればと思います。
おまけ:ブラウン運動
誰もが知っている大天才アインシュタインが調査したともいわれる現象です。
もともとは植物学者ロバート・ブラウンが見つけた現象であるため、ブラウン運動と呼ばれます。
ブラウンは花粉を水に入れて顕微鏡で覗くと小さな花粉がゆらゆら動いている様子を見られました。これは生き物だからだな!と思ってしまいそうですが、この現象は無機物(砂や泥)よりもう1周り小さな粒でも同様に動きます。
これはなぜでしょうか?
原子や分子という非常に小さな領域に目を向けると私たちの身の回りのものはおそらくすべて動いています。当然、目には見えないぐらい小さくブルブルしています。
特に、動きやすい液体では水分子が熱運動と呼ばれる小さく動いているんです。するとそこに落ちた花粉のような粒に小さな水分子があちこちから衝突することで、粒がゆらゆら動いていくんですね。
まさかブラウン運動がおまけになるとは