【科学的に神話を考える】ドラゴンはなぜ空を飛べるのか?
神話やフィクションにおける架空の動物の代表格としてドラゴンがいます。
小さな子供から大人になっても、ドラゴンや龍は私たちの好奇心をくすぐりますよね。
さて、そんなドラゴンについて科学的に考えてみると、いろいろと矛盾が出てきます。架空の生き物なので物理の法則に従わない飛行をしたり火を噴いたりといったことができます。今回は空を飛ぶことにフォーカスを当てて、科学的に考えます。
空飛ぶ鳥は実はすごい
空を飛ぶ代表的な動物としては鳥がいますね。誰もが知ってて当たり前の生き物ですが、その体の行動は人間とはかけ離れています。
自身の体を宙に浮かせるため上半身には大きな筋肉を持ち、その体の倍ほどの大きさの翼を持っています。そして鳥の胴体も大きく見えますが、羽毛に隠れており、肉体はかなり細身で軽いことで有名です。また鳥の骨は中が空洞になっており、なおかつ強度も高いという特徴があります。
つまり、鳥という生き物は飛ぶことに特化した(というといい過ぎですが)生き物であり、単純に羽をつければ飛べるようになるというわけではありません。仮に人間が今の体を変えずに飛ぼうと思ったら2mとも10mとも言われており、科学的な公証は別に調べてみると面白いかもしれません。どちらにしてもフィクションで描かれるような天使の数十cm程度の羽ではお飾りにしかならないということはわかります。
架空の飛行生物:ヒッポグリフ
話を戻して、ドラゴンが空を飛ぶためにはどうしたらよいのでしょうか?というよりフィクションの世界ではたいていのドラゴンは空を飛んでいますよね。
参考文献では少し遠回りして、ドラゴンの前にヒッポグリフを考えています。ヒッポグリフとは頭がワシで翼を持ち、胴体は馬という、架空の生物でハリーポッターにも登場します。
残念ながら、ハリーポッターに出てくるような神々しいヒッポグリフは科学の世界には出てきません。より科学的に考えるとまずは現実的に馬のような大きさで飛行能力を持っていた生き物を参考にするようです。それがケツァルコアトルスです。
これは恐竜の時代に活動していた翼竜の一種で翼は10mにも及ぶと言われています。つまり、馬の体にケツァルコアトルスの胸筋と翼を移植してやれば、それっぽい生き物として地上に誕生できるということがわかります。
もはやかわいらしいヒッポグリフの様子はなく、10mの翼をもつ不気味な巨大生物といったイメージです。
翼のない飛行:ドラゴン
ドラゴンにしても同様に、その際に応じた筋肉と翼、そしてなるべく軽い胴体を持つような生き物であれば、現実の世界にいてもおかしくはないことになります。
それでは、翼のないドラゴンはどうでしょうか?つまり私たち日本人にも馴染みの深い東洋の龍ですね。日本昔話に出てくる緑の龍や、ドラゴンボールの神龍がまさにそれにあたります。
空を飛ぶには翼が必要であり、翼がないままに飛翔するのは非現実的に思います。しかし、世の中には翼がなくても浮遊、滑空ぐらいであれば可能な生き物は存在します。
トビヘビと呼ばれるヘビの一種は滑空するときに体をくねらせることで空を飛びます。
まさにこの原理を応用し、さらに、皮膚にモモンガのような皮膜があれば、巨大なドラゴンであっても空を飛ぶことが可能であろうと考えています。
何もないところで空を飛ぶのは難しくても、嵐が吹き荒れる中、高い山頂付近から滑空すればまさに私たちが思い浮かべる龍が飛んでいるように見えるかもしれませんね。まあそんなところから滑空する意味もないですが。。。
最後に
今回は参考にしたアートと科学の交差点からドラゴンの解剖学をピックアップして紹介しました。この他にも翼の生えた天使がいたらどんな形なんだろうといったことも触れており、なかなか面白いコラムでした。
さすがに画像の転載はできませんが、興味がある方がいたら書店で見てみてはいかがでしょうか。
参考
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