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【スパイスの科学】女王のいとこ?ワイルドなブラックカルダモンとは
以前、スパイスの女王としてカルダモンを紹介しましたが、実は世界にはブラックカルダモンと呼ばれるスパイスも存在します。
ブラックカルダモンはグリーンカルダモンと呼ばれる一般的なカルダモンに比べて知名度が低いですが、その特徴は大きく異なり、全く違うスパイスとして楽しむことができそうです。
ということで、今回は普段見かけることのないブラックカルダモンについて紹介したいと思います。
ブラックカルダモンの歴史
ブラックカルダモンはグリーンカルダモンとは異なる植物です。そのため植生も異なり、その発祥は北インドのシッキム州と呼ばれる地域でした。長らくこの地域で栽培されてきたブラックカルダモン食用ではなく、主に医療用として利用されています。
後に西欧にも進出しますが、これまた食用スパイスではなく、20世紀になるまで香水の原料として使われていたようです。
このようにスパイスとしては不遇な時期が長かったブラックカルダモンですが、今ではカルダモンがグリーンカルダモンと呼ばれるように、ブラックカルダモンも1つのスパイスとして認知されてきました。
ブラックカルダモンの成分
ブラックカルダモンとグリーンカルダモンはともにシネオールを多く含みますが、それ以外では大きく成分が異なります。
ブラックカルダモンはグリーンカルダモンに比べてよりワイルドな風味を持ち、燻製風味のフェノール類は甘くほろ苦い香りのクローブ風味のオイゲノール、また松の香りのピネン、柑橘系のリモネンの香りがします。
私はまだ使ったことがないのですが、このような成分を見るだけでも一度使ってみたいなと感じますね。
グリーンカルダモンも乾燥して利用されますが、ブラックカルダモンは莢ごと直火で加熱乾燥するということで、これにより香ばしい香りが際立つようです。
このような複雑な香りを持つブラックカルダモンは主にインドやネパールのガラムマサラやピラフなどに使われているそうです。
当然、肉料理や野菜料理にも合うので、興味がある方は是非使ってみると面白いかもしれません。
さて、ブラックカルダモンの風味を最大限に利用するためにはどうしたら良いのでしょうか?
ブラックカルダモンは莢の状態でも挽いた状態でも乾煎りするとナッツのようなロースト風味を味わえます。
またスモーク香は殻に含まれているため、ホールの莢を軽くつぶして、加熱調理の最初に入れると燻製風味を楽しむこともできるそうです。
最後に
今回はブラックカルダモンについて紹介しました。
普段見慣れないスパイスかもしれませんが、その特徴は非常に面白く、どこかで見かけたら是非購入してみたいなと思いました。
また、名前は似ているけれど異なる植物から採れるグリーンカルダモンとの違いも気になりますよね。スパイスなので食べ比べとはいかないかもしれませんが、風味や味の違いを軽く感じてみたいですね。