Human|プロ野球のレジェンドプレイヤーに仕事への挑み方を学んだ話
2010年前後に、プロ野球の関連雑誌の編集をしていたことがあります。ちょうどセ・リーグとパ・リーグが創設されて60年という節目の年ということもあり、その歴史を網羅するような企画でした。
その後に続いた《プロ野球データファイル》では、一人ひとりの選手の記録を整理する中で見えてくるものをまとめていたものです。いろいろやってました。人に歴史あり、料理雑誌をやる前のことです。
そんな中で、今の日本球界では到底無理な数々の記録が1980年代までに打ち立てられていることを知ります。
王貞治さんの通算868本塁打
金田正一さんの通算400勝、通算4490奪三振
張本勲さんの通算3085安打
(日米通算ではイチローさんの4367安打)
福本豊さんの通算1065盗塁
こういった記録たちをずうっと見ているとあることに気づかされました。
ケガをしないことが大記録の絶対条件
歴代の大選手に共通することは、記録が高水準かつある程度一定を保っていることです。
王貞治さん 19年連続30本塁打以上
金田正一さん 14年連続20 勝以上、16年連続100奪三振
張本勲さん 20 年連続100安打以上
福本豊さん 14年連続50盗塁以上
トッププレイヤーとして10年活躍するだけでもすごいことなのに、さらにそれ以上連続して記録を維持し続けているのに驚かされます。
実際、シーズン記録で見れば王さんの55本塁打や張本さんのシーズン182安打もすでに更新されていますが、継続してその記録に迫るような成績を残し続けることは難しい(イチローさんは別ですが)ことは、記録が立証しています。
ここには日々の努力だけでなく、試合後のクールダウンやモチベーション維持などさまざまな要因があると思うのですが、やっぱりケガをしないということが大きいと思うのです。
試合に出られなければ記録は作れません。大記録を作る絶対条件は、ケガをしないこと。これに尽きることに気づかされます。
大記録は、1日、1年といった短い期間で作られるものではない一方で、1日、1年の積み重ねなくしては生まれないということを、数字をもって知れたのは、いい経験だったと今でも感じています。
キン肉マンじゃダメなんだ
そんなこともあって、仕事においてはマックス100%のリソースを割かないというのは、この頃から考えるようになりました。
当然締め切りなどあるのですが、そこで燃え尽きないことは意識するようになったのです。
よく大きな仕事が終わった途端に体調を崩したり、気が抜けたりすることがありませんか? 追い詰められた時の火事場のクソ力は出せるけど、その瞬間が終わったら並以下の力になるようなキン肉マン状態なんていうのも、長い期間で見たら記録を作れないと思っているので、そうじゃなくていつでも同じパフォーマンスが出来る方がよっぽど優秀だと思うのです。
そういう意味では力を「持続して発揮できる」ような状態にしておくことが大事なのかなと思います。
7割くらいにリソースをとどめておく。
長く仕事をし続ける術をプロ野球のレジェンドプレイヤーに学んだわけです。
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明日は「Work」です。