Work|ZOOM番組が自分にあってると思うわけ
コロナ禍で、オンライン番組やイベントが一気に増えました。
先週もリモートインタビューのことを書きましたが、便利なものはあっという間に生活をハックして、過去の記憶を塗り替えていきます。「あれ、なんでリアルで会ってたんだっけ?」と、以前の理由すらわからなくなってしまっています(そもそも、なぜ会っていたんだっけ?)。
そんな中で僕も、イタリア料理人の関口幸秀さんとZOOMを使ったオンライン生番組を、毎週水曜の22時から配信しています。僕自身もディレクターとして裏方をやりながら、僕の親友の「冷蔵庫の神様」が、番組の進行をしています(という設定)。
5月22日現在で、放送は5回。#教えて消費レシピ 道場の関口さんに料理人が自慢の消費レシピで挑むという内容です。過去の放送は、YouTubeにアップしてありますので、興味のある方は見てみてくださいね。
編集域が広いのがZOOMの特徴(個人の感想です)
「なぜ、インスタライヴにしないんですか?」なんて聞かれるのですが、僕的には、自分が関わるなら、自分の力が一番発揮しやすいのがZOOMだったという感じです。
画面を2分割できるインスタライヴや、messengerやTwitterのライヴ配信など、いろいろな方のを見させててもらっていると、当事者同士で配信が完結してしまって、なかなか場を作るインタビュアーなり、ディレクター職が入り込む余白がないように感じます。編集者として番組をディレクションするなら、ZOOMが自分にあっていると思うのです。
たとえば、個人個人のファンに向けて配信をするのであれば、インスタライヴの方が操作は簡単で気軽に始められて、観る方も気軽に参加できていいと思うのです。でも、さまざまな意見を統合しながら、コンテンツの質を高めていこうとするのは、なかなか難しい。そもそも、編集を駆使した配信を前提に設計されていないからなのだと思います。
一方僕は、個人の発信をしたいわけではないし、あくまで編集したもので表現をしたいと思っているので、あまり相性がいい感じがしないな、というのが正直なところです。
その点ZOOMは、表示させるカメラを操作できたり、入室管理やチャットへのメッセージに詳細設定ができたりして、編集域がかなり広いと感じています。まだ使いこなせていませんが、画像を全員の画面に共有できたり、音楽を流せたりもするので、画面に動きが出せるのも、将来的にさまざまなことに使えそうな気がしています。
あとは、将来的にその番組をどうしていきたいか、何のためにやっているかによって異なります。どのオンライン配信プラットホームを使うかが、それによって決まってくると思います。
僕たちは将来的に #教えて消費レシピ の道場破りのコンテンツを中小規模のオンラインサロンのようにを育てたい、と思っています。視聴者の方々とのコミュニケーションも、ビデオ通話やチャット機能のなど、視聴者自身にとって参加しやすい方法を選べるので、そういうお互いにストレスが少なくできるかなぁと思っています。
参加するには、Peatixで参加登録をしてもらい、あとからZOOMのIDをメールで伝えるという、少々めんどうな手続きを踏んでいますが、これも将来のオンラインサロン化を見越してクローズドに今の段階からしている感じです。
ですので、自分の編集スキルを活かせて、将来オンラインサロン化を目指すと考えたときにZOOMを選んだということになります。
たとえば、編集スキルがなくてしゃべるのが爆発的に上手であれば一人でさばけるライヴ配信プラットホームを使うといいですし、とにかくたくさんの人に知ってもらいたいのであれば、クローズドコミュニティにする必要もなくてURLを全体公開しても、ぜんぜんありだと思います。
ただ、ZOOMに関しては会議室のセキュリティがそれほど高くなくて、参加したくないという方が一定数いらっしゃいますので、そこを理解した上での運営が必要になると思います。
自分がやりやすい舞台を自分で作れたら強い
自分のルールを破る人間には、かなり強く注意をする料理人(回りくどい言い方ですが、要はすぐに怒る気難しい人)に、延々と2時間近く説教されたことがあります。「仕事をする上で、アマチュア過ぎる。そんな人とは一緒に仕事をしたくない」というのが、全体の趣旨で、僕のミスを考えると正論すぎるので、平謝りしていました。
人間性を否定されるので、聞いていると精神的に追い込まれて、「もう怖くて一緒に仕事をしたくない」と、それ以降、ノイローゼ気味になってしまったことがあります。
あまり思い出したくない出来事ではるのですが、その方から言われたことで、なるほどと思ったことがひとつあります。
「私がこれほど人に厳しくするのは、自分のペースで、自分の舞台に立って仕事をするためだ。私が注意すれば、その瞬間にきちんと仕事をしようと、力を発揮しようとするようになる。いい仕事をするために厳しくしているのだ」
自分がいい仕事をするうえで、自分で舞台を用意するということは、自分の力を発揮する上では重要なんだと思う。そのために、厳しさによって舞台を作るのか、それとは異なる方法で舞台を作るのかは、人それぞれのやり方なので、それほど重要ではなくて、大事なのは、自分自身を良く知ることなんだと思う。
そういう意味では、企画を作る段階で、ZOOMを使ったオンライン生番組という構成にして、自分が編集しやすいフォーマットにしたわけで、それが結果的に、毎回50人以上が2時間見続けてくれている番組にできた、一つの要因だと、自分では分析している。
人に憧れて、あの人みたいなコンテンツを作りたい、と考えることもいいが、自分が力を出せる、すなわち自分が楽しめるということだと思うんですが、そういう環境を自分で作れるようになることが、実はけっこう大切なんじゃないかと思っています。