マガジンのカバー画像

【えりた書店】

77
元書店員で、雑食系活字中毒者のえりたが「おもしろい!」「好きだ!」と思った本をジャンル問わずにご紹介。売れ筋の本も、ひっそり輝く本もステキポイントをずっしり掴んで書いていきます。…
一か月で10本の書評を放り込みます。記事単体では300円ですから、マガジンの方が絶対にお得。また、…
¥6,000
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

【読書note6/新書】『信長の城』

大河ドラマ『どうする家康』を見ていると、「え、これ、城なの?」と思うことがあります。「〇〇城では…」とのナレーションが入っても、「館にしか見えない…」と思ってしまうのです。 「城」と言って思い浮かべるのは、名古屋城とか、暴れん坊将軍な姫路城とか。ああいった壮麗な雰囲気の建物です。現在、1560年代真っ只中の『どうする家康』ではまったく見かけない形状をしています。 でも、それが正解。 多くの人が「城」と言われて思い浮かべるのは、近世に入ってから建てられたものなのです。で、

¥300

【読書note5/文芸】『スローシャッター』

本の佇まいに惹かれることがあります。 表紙のデザインや捲る頁の紙質、 使われている写真、文字の並び…… 厚みや持った重みも全部含めた「佇まい」。 そういった、ことばにならない、 でも、「本」を成立させるには たいせつな諸々が 丁寧に細やかに作られている本を目にすると 思わず手に取り、そのまま読み始めてしまう。 私にとっては、この『スローシャッター』が そんな一冊でした。 ■『スローシャッター』 ■田所敦嗣著 ■ひろのぶと株式会社 ■2022年12月 ■1800円+ta

¥300

【読書note4/新書】『健康の大疑問』

思うよりも素直な性格をしている自覚があります。斜めではありますが、そこそこ真っ直ぐなんですね(笑) なので、そのとき読んでいる本から大いに影響を受けます。考えとか文体とか。 なので、特に医療系の本を読むときは注意しています。 真に受けて、自分の身体に何かがあるなら、まぁそれは選んだ自分の責任なのですが。人に勧めて、その人に何かあった場合、何の責任も取れません。そう思うと、慎重にならざるを得ないのです。 だから、医療系の本を読むときは、私自身が信頼しているお医者さんがおス

¥300

【読書note3/短歌】『短歌ください 海の家でオセロ篇』

国語講師をしていた時は苦手だったのに、辞めてから「存外、好きかも」と思えたものがいくつかあります。その一つが「短歌」です。 もちろん、「詩が足りない」と評されがちな私が短歌を創れるはずもなく、もっぱら鑑賞する側ではありますが(笑)。時折、短歌集を手にとってはぼやぼやと眺めているのです。 今回ご紹介するのも、そんな一冊です。 ■『短歌ください 海の家でオセロ篇』 ■穂村弘著 ■KADOKAWA ■2023年2月 ■1800円+tax 本書は、『ダ・ヴィンチ』(2018

¥300

【読書note2/文芸】『川のほとりに立つ者は』

先日来、【2023年本屋大賞】のノミネート作品を少しずつ読み進めています。今回ご紹介するのも、そのうちの一つです。 ■『川のほとりに立つ者は』 ■寺地はるな著 ■双葉社 ■2022年10月 ■1500円+tax ■誰かについて語ること 自分の大切な人について、自分がどれほど知っているか。そう改めて問われると、存外自信がなくなったりします。 私たちは、誰かについて語るとき、その人が親しい人であれ、知り合い程度の人であれ、「この人はこうだよね、ああだよね」と、さまざまな

¥300

【読書note1/新書】『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』

*こちらの記事は途中から有料です。 *以下の、有料マガジンに放り込みます。有料マガジンは10記事までこのお値段のままで、そこから記事が増えるごとに値段が上がります。 ・ ・ ・ あまり本を読まないという方でも、幼い頃「図鑑」に触れたことのない方はいらっしゃらないのではないでしょうか。かく言う私も、家に「植物図鑑」がありました。 私自身は、絵や写真といったものに然程興味を持たずに大きくなったので、頻繁に図鑑を眺めた記憶はありません。 が、友人のなかには「図鑑大好き!」と

¥300